「円安」

おはようございます。
公響サービス、代表のシンジです。

 円安について報道がうるさい!今日は予定を変更して「円安」を斬ります。ちょっとばかりザツな言葉とザツな説明になりますが、ご容赦ください。

 日本の信用で発行している「円」があり、基軸通貨の「米ドル」や「ユーロ」「スイスフラン」などがある限り、為替はなくなることはない。自国通貨が安くなるということは、物価が上がるということだ。
 いままで100円で買えていた物が、円の価値が下がったことにより110円になれば、物価上昇と同じことになる。これがインフレだ。
 お金の価値を決めるのは「金利」だ。金利が多く付くということは、お金の価値が高いということ。円の価値が下がるということは、金利も低くなるのが基本だ。だから、ハイパーインフレを防ぐため、中央銀行は自国通貨の金利を引き上げるわけだ。トルコのリラなどは自国民が給与をもらうとすべてドルを買ってしまうほどに、自国通貨に信用がない。そうすると、自国通貨はどんどん安くなる。定石ならば金利を上げるべきだ。ブラジルやボリビア、アルゼンチンなどが良い例だ。ところがトルコの大統領は金利を下げるべき?と世迷いごとを言っているそうだ。
 因みに米FRBが金利を引き上げている理由はインフレの抑止も当然あるが、別の理由が主だ。B/Sの総資産(多くなった負債)を圧縮(縮小)するのが目的だ。今回はこの件は無視する。

 では日本の場合はどうなのか?円が安くなると物価が上昇したか?確かに上がった。他の要因もあるのだが、今回は不作や外的要因を排除して簡単に考える。物価が上がったので、日銀は金利を上げるのか?いや、上げていない。では、円安に対する対応は不要なのか?はっきり言おう「不要」です。ここでいう意味はマクロ経済です。個人レベルのミクロ経済では、迷惑を受けている人、苦しんでいる人がいるのは、ここでは考慮しない。
 円がようやく下がってくれたのです。円は世界でもトップクラスの信用があります。なぜか?それは日露戦争の借金を80年以上もかけて(つい先日20年ほど前のことです)完済し、金利までキッチリ払った、世界で唯一の国だからです。通常はとっくにデフォルト(破産)しています。だから、円はいままで異常なほど高かったのです。

 円安になって、エネルギー輸入が高くなり困った。食糧輸入で困った。そうやって、目先のことばかり考えている人が、「円安=悪」という考えになっているだけだと思う。また報道もそれを煽るのは、何のためだと思いますか?仕方ない、増税しよう!という政府に対して、国民がNO!と言わないための布石だと思いますよ。じゃなきゃ、報道の自由があるのに、すべての報道機関が「円安」は悪いことだってそろって書くわけがないじゃないですか?だから、自分の頭で考えて、判断して欲しいのです。誰かがこう言っている。だって、誰かがこう言っていた。それは自分の考えではなく、主体性の無い思考停止の回答です。そんな回答なら我社の入社試験は落第です。

 報道関係の仕事をしているということは、大学で経済学を勉強しているはず。大学にも行っていなく、経済の勉強も独学しかしていない私などよりも知識は豊富だろうし、経済について知る機会も多いはず。そんな報道関係者が意見をそろえているということは、必ず報道統制があったと考えるべきだと、個人的には思っている。民主主義国家でそんなことあり得ない!と思っている人は、とてもおめでたい。その人がビジネスで成功することもないと思いますよ。純粋な気持ちがあることは、悪いことじゃないですけれどね。

 食料は1年以上前から、北海道の不作で、たまねぎ、トウモロコシ、大豆、みんなやられています。米国も不作です。日本の食料自給率はカロリーベースで37%になっていますが、家畜の飼料は99%輸入です。ニワトリや卵は90%国産ですが、そのニワトリが食べるトウモロコシはすべて輸入なのです。日本人に残るのは、コメと野菜だけです。実質的食料自給率は、10%に満たないのではないかと想像しています。そこに「円安」が重なっただけなのに、まるで円安がすべてを引き起こしたかのような報道は、完全に行き過ぎだと思う。当然、ロシアとウクライナの戦争も大きく関係はしない。そうやって、他人のせいにしているから、本当のことが分からなくなり、文句を言うだけのヘチマ頭になるのです。すべては自分の責任なんですよ!それが資本主義の原則です。

 日本はこれ以上ないという低金利国だ。つまり資金調達にかかるコストが極めて低い国ということだ。現状これを変える要因はないように思う。信用があるから、低金利でも国債が暴落することはない。むしろ買われる。金利の安い日本で調達したお金を、金利の高い米国などに投資すれば、金利の差分は確実に儲かるからだ。

 先にも述べたように、ハイパーインフレを抑止するためには、金利を上げる必要がありますが、南米のベネズエラと日本では根本が違います。10円のものが10万円になっている国で、しかも借金が外資の米ドルになっている国は、国の資産はマイナスになって企業でいうところの債務超過になっています。実質的な倒産だ。このような国は国債を発行しても紙くず以下で、取引は成立しない。格付けなど出来た状態ではない。世界一の原油埋蔵国でありながら、それを掘ることすらできないのだから。悪い円安?全然、普通の円安ですよ。

 円安になって実態が暴かれたのは、実質的な仕事を新興国での現地調達に切り替え、国内では管理という名の仕事をしたつもりが横行したことで、国内の稼ぐ力が衰えた。というだけのことだ。自分達で汗を流して物を作って輸出していた頃(2011年まで)は、貿易黒字だった。円安大歓迎だったわけだ。ところが、自国での仕事を放棄し、働き方改革(働かせ方改革とすべき)で仕事をしなくなり、どんどん仕事を新興国に投げていった結果、貿易赤字になったわけだ。エネルギー輸入の増加分だけで現状のようになるわけがない。何でも安く買う。安く、安くと呪詛(ジュソ)のようにとなえ、国内の賃金じゃ作れなくなったから、安い国で調達する。これは形を変えた植民地政策じゃないですか?奴隷制度に戻っていますよ。それをやってきた日本の大企業がデフレを引き起こしたんじゃないですか!この円安で、その張本人が暴かれているわけです。部品が足りなくて生産ができないって言っている大会社、あんたが日本をこんなにしたんだよ!

 日本の製造業はいまになって、物が作れなくなって操業を休止しているところが多い。部品調達ができないのは、アジア各国にばらまいてきたからですよ。円安とコロナのおかげで、日本の工場はただ、ねじを締めていただけで、実質的な技術を怠ってきたことが明らかになったと思います。日本の自動車メーカー・トラックメーカーで、自動車をゼロからすべて作れる会社は、もう1社もありませんよ。みなさん知らないだけです。協力メーカーにそっぽを向かれたら、終了です。
 管理や会議などしていても、GDPに1円も寄与しない。それなのに忙しそうにしている人達は、付加価値の何たるかを理解していない。日本の付加価値が高ければ、円安など追い風としか思わないはず。報道されることすらないはずです。

 ついでにプライマリーバランスについてもそうだ。プライマリーバランスとは国の収支のバランスのことです。分かりやすくサラリーマンの月給に例えると、月給20万円なのに、21万円支払いがあれば赤字になります。まずは赤字をなくそうね。そうって言っているわけです。これは損益計算書P/Lだけしか読めない人の考え方です。
 一方、貸借対照表B/Sを見られるようになると、会社も国家も現金があれば、借金が多くても倒産はしないことが分かります。では日銀で現金をどんどん刷れば良いのか?というとそうでもない。お金とは信用創造で、借金によりお金(マネタリーベース)が増えています。お金を刷って増やすのではありません。現金量は110~120兆円の間で何年も変化していません。
 日本の借金が多い。一人当たり990万円なんて報道も、国民感情をあおって、増税ができるようにしている布石です。財務省がそのような発表をして何の得がありますか?これがプロパガンダだって思えば、つじつまがあいます。
 借金には良い借金と悪い借金があります。日本の国債はほとんど外資に渡らず、国内金融機関が保有しています。国内金融機関に預金しているのは日本国民です。つまり、親子で貸し借りをしている状態なので、日本の借金は資産であり、外国(他人)からお金を借りているのとは次元が違います。プライマリーバランスなんて全く関係ないのです。
 要はマクロ経済として考えるべきところを、ミクロ経済(家計簿)的な見方をすることに、大きな問題があるのです。それは、国民の目線に合わせた報道で、増税を諦めさせることが目的だと思う。報道機関もその報道協定に入っていることは間違いないでしょう。

 結局はどれもこれも、増税に対する政府のプロパガンダだと思うのは、私だけだろうか?また、選挙のための対策ではなかろうか?私はそう思っている。
 社会保険という名の税金は、こんご益々増える。源泉徴収されているサラリーマン諸氏は、社会保険料がいくらなのかは、あまり理解していない。同額+αを会社が支払っていることも、あまり理解していない。ガソリン税を取りながら、小売り時に消費税も取るような2重課税を行っていることなど、税金のシステムはおかしな部分ばかりだ。それをプライマリーバランスという言葉でごまかして、財源確保の増税をしようとしているわけだ。そんなことはとうてい許せない。
 私達は自分の頭で考えて、行動しなければ、子供達に誇れる日本を残せなくなってしまうと思う。どう考えるかは、自分の責任です。

 いつも読んでいただき、ありがとうございます。本日も皆さんにとって良い一日でありますよう、祈っております。

シンジ

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