「景気」

おはようございます。
公響サービス、代表のシンジです。第1,131回です。

 日経平均株価がバブル期を超え、4万円にまでなった。大手企業は円安によって輸出が好調で、国内では値上げによる利益増加で過去最高益の会社が続出。経団連は法人税を下げて消費税をアップせよと言い、内閣府の経済月例報告や日銀の短観なども、景気は徐々に上がっているかのように書いている。
 日銀はマイナス金利を解除し、金融引き締めの方向に動き出している。これだけの要因を見れば、誰だって日本は好景気なの?と思うのが普通だ。なぜなのか?

 経済の基本は景気が悪ければ、公的資金を投入し、お金を増やしてお金の価値、すなわち金利を下げていく。日本は「ゼロ金利」からもう下げられない状態で「マイナス金利」にまで行っていた。そうやってお金の価値を下げるのは、物価が上がるようにだ。物が高く売れれば、企業が儲かる。企業が儲かれば、賃金も上がる。そうやって好景気になるはずなのだ。
 逆に、景気が良ければ、物価がどんどん上昇し、賃金に追いつかなくなるとハイパーインフレになってしまい、お金が紙くずになってしまう。100円で買えた物が1,000円になったら、誰もが財布のひもを固く閉ざすわけです。個人消費がGDPに締める最も大きな割合です。景気を左右する一番の要因です。だから、政府はここで金融引き締めをするのです。そう今現在のように。金利を上げて、お金の価値を向上させ、物の値段を下げようとするのです。バブル期のように、貯金しているだけでお金が増えた時代のように。
 では、いまは金融引き締めをするほど好景気でインフレなのか?確かに物価は上がった。しかし、輸入によるコストプッシュインフレに過ぎない。要するに、国際的な円の価値が下がり円安による輸入品の価格が上がったことが要因だ。それなのに、なぜ金融引き締めに走るのか?

 日本の銀行が企業に1年以上の長期間融資するときの基本金利レートとして、「長期プライムレート」というものがある。日銀が主導で決定されるのだが、一般の人に関係があるのは住宅ローンだろう。基本的にこの長期プライムレート(以下「長プラ」)によって金利は左右される。
 これが2009年11月に1.85%を付けて以来ずっと下がり続けていた。そのため、銀行の金利や住宅ローンなどは、軒並み安い金利で、企業も個人もお金が借りやすくなっていたのだ。2016年7月には0.9%と過去最低の金利をつけ、平成後半から令和にかけて日本の長プラはほぼ金利無しという状態で、お金が借りやすい状況にあった。
 ところが、2024年3月に1.6%に上昇している。1.8%を超えると色々な影響が出始めるだろう。すでに住宅ローンは一部上がっている。

 世の中の景気は「気」の部分によるところが大きいと言われる。それは、個人消費に大きく左右されるからだ。日本のGDPの約55%が個人消費だからだ。だが、日本は少ない方だ。アメリカのGDPに締める個人消費の割合は何と70%である。国民がお金を使うから、経済も回るのだ。日本は賃金が1997年をピークに右肩下がりを続けているので、個人消費も伸びるわけがないのだ。その原因をつくっているのが社会保険料という名の税金だ。
 サラリーマン諸氏は給与から天引きされているし、同額以上の金額を会社が勝手に払ってくれているから、まったく意識がないと思う。32%を超える社会保険料という名の納税をして、更に消費税の10%を取られているのだ。市民税や所得税を含めると、ほぼ給与所得の半分が国に搾取されているという事実をご存知だろうか?それで、個人消費が伸びる道理などない。それで、景気が良くなることなど、あり得ないことなのだ!

 コロナの最初の緊急事態宣言時は、長プラは1.05%だった、そこからはさざ波程度しか上下せず、かなりの期間変動していない。コロナで個人消費は極めて少なくなった。企業の経済活動を抑止したのも当然だが、人に会わなければ経済も回らない。冬眠状態になってしまったわけだ。
 そして、政府は緊急事態宣言で経済を止めて、それを補填するために会社にお金を注入したのが「ゼロゼロ融資」だ。それなのに、いまになってそれをゾンビ企業とは、ふざけた言い方にもほどがある。
 では、そのゾンビ企業を見捨てたら、国民の95%が働いている中小企業を見捨てたら、日本はどうなってしまうのか?わずか5%の人口しかいない一部上場企業のしかも、経団連に入るような企業だけが生き残ることになるのだ。だが、そんな企業も結局は我々庶民がいなくなれば、売上は激減するに決まっているのだ。政府や日銀が上場している大企業しか見ていないのは、本当に不甲斐ない。中小企業の実態をもっと見ようとしても良いと思う。

 このところの倒産件数は1万件の大台に乗りそうな勢いです。これは、バブル崩壊を超える倒産件数が見えてきました。それが、日本経済の実態です。いまは「不景気」なのです。金融緩和をすべき事態であり、金利は下げなければならない局面にあります。
 景気動向のおさえるべきポイントが分かっていないようだ。私が日銀総裁になれば、行うべき政策は実に単純だ。金利を1.0%に下げてあとは何もしない。金融政策決定会合などやめてしまえば良いのだ。がん首そろえたって、良い知恵など出ないのだから、税金の無駄だ。ほぼクビで良いと思う。使えない人達だ。
 何度でも言います。いまは「不景気」なのです。インフレじゃなく、デフレは今も続いています。それが、きっとみなさんの肌感覚にもピッタリくるのではないですか?国民を無視して、バカにして、上の言いなりになっている役人や政府などは、いずれ国民の怒りを一心に受けることになるでしょう。100回政権交代させましょう。現時点で最適解などないのです。それが本当に日本を洗濯することになるんじゃないでしょうか?

 いつも読んでいただき、ありがとうございます。本日も皆さんにとって良い一日でありますよう、祈っております。

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シンジ

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