「えこひいき」

おはようございます。
公響サービス、代表のシンジです。

 学校の先生や会社の上司が「えこひいき」することは良くない。誰もがそう思うだろう。実際その通りだろう。だが、お客様は是非とも「えこひいき」した方が良い。逆に「えこひいき」をしないことで、お客様を失うことにもなるのだ。今日はマーケティング戦略の一部をお話しします。

 あなたが、飲食店を経営していたとします。お店としては、常に新規顧客を求めています。それは当然のことです。そのために、店内の雰囲気や、メニューにアイデアを出したり、宣伝広告費を使ったりすると思います。ですが、ここでよく考えなければならないのは、いまあなたのお店(会社)の売上を支えているのは、既存のお客様だってことです。新規顧客が来てくれても、常連になるとは限らないのです。ですから、週に何度も来てくれる常連さんと、たまたま入ってきた一見さんに、同じサービスを提供していては、常連さんは面白くないはずです。
 よくある失敗が、新規顧客を獲得するために、初めてのお客様にビール1杯無料提供や、クーポン券を渡すなどもそうだ。良くあることだけれど、それを見ていた常連さんは「しょっちゅう来ているオレにはいつも通りのサービスで、始めてきたヤツにばかりサービスしやがって!」と嫌な気持ちになるに決まっています。ではどうすれば良いのか?「えこひいき」すれば良いのです。
 顧客の売上ランキングを作成して、何分割かに分けるのです。そして、ダイヤモンド・プラチナ・ゴールド・シルバー・一般会員などとランク分けをして、簡単な会員カードを作るのです。入店の際にそれを見せるようにさせるのです。そして、新規顧客の目の前で、常連さんに言うのです。「〇〇様(名前で呼ぶのは必須)いつもありがとうございます。ゴールド会員の〇〇様専用のゴールドジョッキでございます」と他の者より少し大きなジョッキで、ビールを飲んでもらうのです。当然料金は同じです。と言っても、1杯プレゼントするほどの差がないジョッキを用意するのです。その時の常連さんの優越感はすさまじいものがあると思います。こうやって、顧客を「えこひいき」して囲い込めば、他店に浮気することはなくなり、「えこひいき」してくれる店に行こうと思ってくれるものです。この時に大事なのは、値引きなどのコストを伴うサービスは少しにすることです。ジョッキを変えるだけで効果がなければ、料理をシェフが自ら運んできて料理の説明をする。お帰りになる時は、店のスタッフ全員で見送るなど、コストのかからないサービスを考えることです。そして、会員登録をして頂ければ、お客様の住所やメールアドレス。LINEやFacebookアカウントを知ることが出来て、新メニューのお試しや、誕生会などのイベントを企画することも可能になります。顧客との絆を深めるのは、顧客名簿を使った「えこひいき」です。

 あなたが、メーカーの製造下請け企業を経営していたとします。顧客は多岐にわたるメーカーですが、特に特徴もない中小企業で、価格競争に巻き込まれて疲弊しているとします。そんな時には「えこひいき」をするのです。
 粗利率の良い順に顧客ランキングを作成し、お客様に伝えるのです。「〇〇様(一担当者でも名前で呼ぶのは必須)いつもありがとうございます。この度、御社は弊社の顧客ランキングでサファイヤ・ランキングを獲得しました」。営業がそう伝えるとお客様は必ず「サファイヤ・ランキングってなに?」と食いついてきます。そうしたら、話ははずみます。新たな仕事の話も出てくるかもしれません。
 これも特に割引などはしてはいけません。要は、お金をかけないサービスで「えこひいき」することです。例えば、「納期は順番待ちなのですが、御社はサファイヤなので、順序を2繰り上げて納期設定致します」などと言うだけで、お客様は特別感を感じ、いつも御社に仕事を発注しようと思ってくれるのです。実際がどうかなんて、言う必要はない。

 このように、ビジネスにおいて顧客を「えこひいき」することは、とても大事なことであり、理にかなっていることです。小さな売上のお客様も、大量に購入するお客様も、平等に扱おうという気持ちは、人として正しいだろう。しかし、ビジネスにおいてはまったく正しくないのだ。そこに常識が入り込むスキマはない。資本主義の世で勝ち残っていくということは、「えこひいき」を上手く使えなければならないと思う。みなさんは、どう思いますか?

 いつも読んでいただき、ありがとうございます。本日も皆さんにとって良い一日でありますよう、祈っております。

シンジ

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