「予算策定」

おはようございます。
公響サービス、代表のシンジです。

 みなさんの会社では、毎年「予算策定」を行うだろうか?どの程度の売上を上げて、どの程度の利益を見込み、どの程度の給与を目指す。そして、どの程度の設備投資をするのか?感覚的で適当だろうか?もしくは上から示されるノルマだけが全てだろうか?
 毎年の通常国会の主な内容は、法律を立憲することと、予算を審議することだ。官僚が策定した予算を、国会で議論し、承認していく。会社も似たようなことをする必要がある。だが、そのやり方は大きく違うと思う。

 企業の予算策定方法は、「逆算」で行う。まずは利益がいくら欲しいのかを決める。100万円でも、1,000万円でも、1億円でもかまわない。企業活動をして、残ったお金が利益という考え方は、結果論でしかない。まずは、残す利益をいくらにするのかを決める。その中から、税金を支払い、次期の設備投資をする。従業員の昇給をすることを考慮して、欲しい利益額を決めるのだ。これを営業利益「E」と定義する。最低予算を出すときは、最初は「E=0」と代入する。
 次に、今年の固定費、労務費と家賃、光熱費や通信費の合計を出す。これに昇給分を加味して、更に端数を繰り上げて、固定費「D」と定義する。
 自社の事業の変動比率を出す。原材料費や外注費など、売上と連動して支払うことになる費用の比率だ。これを変動比率「B」と定義する。またこの時の粗利を「C」と定義します。
 必要売上は(利益E+固定費D)÷(1-B%)で決まります。売上を「A」と定義すると、以下のような式ができます。A=(E+D)÷(1-B)
では以下の会社の予算を実際に見ていきましょう。

最低利益は「0」なので、E=0とします。
固定費Dが200万円とします。
変動比率が80%とします。
その時の必要売上は、(0+200)÷(1-80%)=200万円÷20%=1,000万円とわかります。

A売上  ・・・1,000万円 100%
B変動費 ・・・ 800万円 80%
C粗利  ・・・ 200万円 20%
D固定費 ・・・ 200万円
E営業利益・・・ 0万円

別の例です。
必要利益をE=200万円とします。
固定費Dが400万円とします。
変動比率が60%とします。
その時の必要売上は、(200+400)÷(1-60%)=600万円÷40%=1,500万円とわかります。

A売上  ・・・1,500万円 100%
B変動費 ・・・ 900万円 60%
C粗利  ・・・ 600万円 40%
D固定費 ・・・ 400万円
E営業利益・・・ 200万円

 このような計算を損益分岐点と言います。利益が出るか、損が出るかの分岐点。ブレイク・イーブン・ポイントと言います。それをうまく利用して、予算を決めていくんですね。そのうえで、必要な売り上げのために、各営業にノルマが課せられるのではないでしょうか?そんな計算を、経営者や経営企画部が行っている。というわけです。みなさんは、ドンブリ勘定せずに、ちゃんと予算を決めていますか?

 いつも読んでいただき、ありがとうございます。本日も皆さんにとって良い一日でありますよう、祈っております。

シンジ

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