「そのお金は誰のお金?」

おはようございます。
公響サービス、代表のシンジです。第1,128回です。

 先日「分水嶺」にて、借金について触れたが、今回は個人の借金と企業や国の借金についてもっと詳しく話をしようと思う。

 家計における借金は、必ず返済しなければならないものであり、基本的に金利も高く、一度借りたが最後、ブラックリストに乗ってしまうため、サラ金(今では銀行がサラ金なのですが、その意識がない人が多い)には借りた実績と返済実績リストが筒抜けになる。その時点で甘い誘いが増えて、結局節約が出来なくなるのだ。
 多くの人が勘違いしているが、リボ払いも同様だ。これは利息を払っているだけで、いつまで経っても支払いが終わらない。銀行が儲かるシステムだ。
 クレジットカードも一括以外の使用方法をしたら、まずアウトと思った方が良い。すでに行っている人は、早めに清算して、クレジットカードは解約して、作成し直すことをお勧めする。個人としては、住宅ローン以外は一括で買えないものは買ってはならない。車もローンはNGだ。ローン会社がメチャクチャに儲かっているだけで、極めて割高な買い物をさせられていることを知りましょう。

 では、国や企業はどうなのか?借金を返済するという意味では個人と変わらない。そして、「その借金はだれのもの?」という視点に立つと、国債を購入している金融機関や個人投資家のものという認識になる。個人的には、その視点がまず間違いの始まりだと思っている。
 「分水嶺」で書いたように、国や企業はお金を借り続けることが可能だ。つまり、次の借金で以前の借金を清算し、常に借金がある状態だけれど、借金が増えているのではなく、未来にスライドさせているだけ、ということだ。これが為、国も企業もデフォルト(倒産)することが頻繁にはないのだ。
 ではこれを個人に置き換えてみよう。サラ金Aから借りた100万円を返済するためにサラ金Bから100万円借りて返すことは、多重債務となり結局返済しきれなくなるのは、誰の目にも明らかだ。こんなことは続かないのだ。
 実態を知らない人は簡易裁判所の傍聴へ行ってみればすぐに分かります。簡易裁判の7割はサラ金に訴えられた善良なる市民です。初めて裁判所に出頭し、借金が返せないことでおろおろしている小市民を、銀行というサラ金が司法の力を使って脅している姿を目の当たりに出来ますよ。

 閑話休題。では、国はいくらでも借金を増やせるのか?というと、理論的には可能だ。しかし、信用創造の原理からして、借金が増えるということは、世の中を流れるお金が増えるということだ。つまり、マネタリーベースの拡大につながる。血管の太さは決まっているのに、血液の量が増え続ければ、いずれ決壊することは当然だろう。しかも、未来にスライドさせたとしても、未来では人口が減ることが予測されている。では、その借金を未来にスライドさせ続けても大丈夫なのか?
 当然、私はMMT(現代貨幣理論)の信者ではない。日本のようにほとんどの国の債務が、日本国内にある。つまりは国民の手のうちだと、国の借金がどれだけ増えても良い。的な乱暴な言い方はしない。
 借金を返済しなければならないのは、まったく同じだ。単なる未来への先送りでしかないことも認める。だが、国や企業には寿命がないのだ。個人とは違い、未来への先送りが可能なのである。そこが、個人との大きな違いである。
 しかし、お金の使い方は節度を保って良い借金をしなければならない。未来に借金を残すのではなく、同じ様に水道・電気・ガス・道路・橋・ネットケーブルなどのインフラを整備し、国民の資産として残すのだ。それなら、その借金は「生き金」になるではないか!

 お金とは、使われて初めてその価値が発生する。個人で大切に保管していても、全く価値を生じさせない。1万円札の原価はたったの24円のカラー印刷をした紙でしかない。物質的な価値はほぼ無いと言ってよい。そこに価値を見出すのは、使用されて初めて発生するのだ。お金は貯めこんでおくと「死に金」になってしまうことを忘れてはならない。
 だから、お金は常に流し続けるものであり、個人や企業や国の所有物ではないのだ。お金は生き物だということを忘れてはならない。
 ですから、借金であろうと、今あなたが持っているお金であろうと、お金に関して「そのお金は誰のお金?」という所有権で物事を考えるから、物事の本質を見誤るのです。
 お金は、個人や法人や国のものではありません。経済を回すための潤滑油であり、世界経済の血液なのです。その血液を特定の所有権で考えている限り、経済の実態は見えないかと思っております。

 いつも読んでいただき、ありがとうございます。本日も皆さんにとって良い一日でありますよう、祈っております。

社長のお金持ちセミナー「シンジ塾」
数字アレルギーのあるあなたに!絶賛開催中!
https://shinjijiku.hp.peraichi.com

シンジ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?