「4月スタート」

第1,201回
おはようございます。
公響サービス、代表のシンジです。

 日本は入学も入社も「4月スタート」の国だ。会社の決算も3月が多い。そうすることにより、非常に不都合がある。海外と合わないことは言うまでもなく、留学生が半年待たされることも、留学したい子が半年遅くなることなど、いろいろあるが、今回は企業に限定した話をします。

 まずは「算定基礎届」というものがある。人を雇っていない方はご存じないだろう。もしくは社労士さんに丸投げをしている経営者も知らないと思う。
 毎年、6月になると年金事務所から届く書類だ。要するに、全員の今年の社会保険料を決めるための「標準月額報酬」を決めるために、全員の4月、5月、6月の給与を記載し、合計額と平均額を提出する。というものだ。きわめて面倒な書類である。
 GビズIDでネットを使うとか、手書きをして郵送するとかいう話ではない。そもそも、年間の保険料を、4月、5月、6月の平均で決めるという方法自体がおかしいのだ。その時期が会社にとっての繁忙期や閑散期など関係なく、決算期も考慮しない。ただ単に、公務員のスタートが4月であるから、客である国民の都合を無視して、公務員目線で決められたシステムであることに、最も腹が立つのだ。ではどうしたいのか?会社それぞれの決算後の3か月や、前期の平均値など、会社の決算時期に合わせるべきなのだ。他の案件もそうだが、この時期にまとめられると、こちらが忙しいのである。事務手数料を国に請求したいくらいである。

 次に賞与の支給が6月だと、支給した賞与額を年金事務所に届けなければならない。これも面倒だ。いちいち書類に金額を記載しなければならない。これも「標準賞与額」を決めて、社会保険料を確定するために行っている。似たような時期に重なってくるのも、とても不快だ。
 折角決算時期をずらしているのに、年金事務所の都合で、この時期は重なってくる。そもそも、年金事務所もこの時期が繁忙期になるのは、自分で自分の首を絞めているのだ。会社の決算に合わせれば、うまくばらけるし、決算時期をずらす意味も増える。どこまでも「4月スタート」の悪い部分である。アホ丸出しである。

 更にこの時期は、7月10日までに、「労働保険」の確定をしなければならない。これは、全従業員(経営者以外)の総支給額を合計して労働基準監督署に届けるものだ。要するに、管轄が異なるために、同じような書類を何か所にも送る必要がある。しかも、これまた同じ時期になっているのも、「4月スタート」の悪い影響なのである。小さな企業の社長は、こんな書類を作っていないで、どんどん稼がなければならない。非常に迷惑な話なのである。

 このような書類をすべて用意し、郵送するのだから、企業の時間とコスト。税金のコストも極めて莫大なロスをしているのが、わが国の現状なのだ。
 友人の経営者が言っていた。税務署が会計ソフトを開発し、そこに全データーを突っ込めば、脱税もできないし、このような無駄な書類も不要になる。そのクラウドの会計ソフトに入力すれば、算定基礎届も賞与届も労働保険料も確定するはずだ。極めて効率の良いことになる。国は我々企業から多くの消費税と法人税の二重取りをしているだけでなく、決算費用や書類作成作業など、大きな時間を奪っているのだ。仕事のできない奴らが作った、縦割り組織ということがお分かりいただけるだろう。それが上級国民とやらの実態だ。そいつらがどれほどクソなのかがわかる事例の一つだ。
 それも、前例踏襲しかできない「4月スタート」しか脳みそにない連中の偏見でしかないのである。我が国を変えるには、まずは「4月スタート」を止めるべきだと思う。

 いつも読んでいただき、ありがとうございます。本日も皆さんにとって良い一日でありますよう、祈っております。

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シンジ

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