「会長」

おはようございます。
公響サービス、代表のシンジです。

 社長が後継者に社長を譲ると、会長になることが多い。会長になって責任は減り、のんびり老後を楽しみながら、会社にも関わり続けられる。そう思っている会長が多いでしょう。しかし、その後の後継者が上手く会社を運営できるかどうかは、会長次第なのである。
 まず、会長も社長も代表者であることは問題ない。だが、決定するのは社長でなければならない。会長が決めてしまうと、意思決定者が二人になり、会社が二つに割れる。必ず意思決定は社長が行わなければなりません。
 口を出したい会長は非常に多い。もし、どうしても口を出したいのなら、社長と二人で話し合う場を毎週設ければ良い。なるべく従業員が出社する前の早朝に行うのが良い。従業員の前で口を出してしまうと、社長は反論が出来ず、事業承継が行われても権力の実態が会長にあることを従業員に知られてしまっては、後継者の社長の立場がなくなるので、決して人前で議論してはならない。社長の信用が落ちるからだ。

 日本は民主国家だが、政治的には自民党の1党独裁になっている。中国やロシアを批判するなら、なぜ自国の政治に目を向けないのだろうか?だが、それ以上に強烈な独裁をしている者がいる。会社の会長だ。
 日本で有名な経営者、ユニクロを展開しているファーストリテイリングの会長。日本電産の会長。ソフトバンクの会長。3人の会長に共通することは、社長を任命しても、オーナー会長である自分の思い通りにならないと、口を出し手を出し、結局クビにしてしまうことだ。これを独裁と言わず、何と言おう。3人とも有名な経営者であり、莫大な資産を築き上げ、成功者のように言われているが、私から見れば、経営者としては落第点と言える。尊敬も出来ないし、うらやましくもないし、その様になりたいとは1mmも思わない。
 きちんと後継者を育て、引退時期を宣言して、事業承継を終了して、企業存続をさせているもっと立派な経営者を多く知っている。別に親族に引き継ぐ必要はないのです。個人的には、むしろ親族にこだわると、無能な経営者が現れたことにより、企業が存続できなくなることに比べれば、他人へ事業承継をして、自社の持株会などで金庫株として、民主的に経営者を選出していく方が、会社のあるべき姿だと思っている。
 私も20年後位には社長を引退するだろう。それまでに後継者を育てなければならないし、株式も個人で持たないように変更しなければ、会社の存続が不可能になる。そろそろ、本気で準備しなければ、事業承継にかかる時間は最低で10年だ。計画だけでも出来ていなければ、後で困るのは従業員やお客様などのステークホルダーだ。そんな恥ずかしいことは、私はしたくない。因みに我が社の人事評価基準書には、会長職は設けない旨を記載している。「会長」など、正直この世に存在する価値はないと思っている。会社法的には「代表取締役」と「取締役」の2種類しかないのだ。勝手に「会長」「社長」「副社長」「専務」「常務」などと肩書をつけるから、面倒になるのだ。そんなものはすべて廃止すべきだと思う。代表取締役と取締役だけで十分ではないか?未練タラタラにせず、引き際は美しく、「飛ぶ鳥跡を濁さず」潔く引いて欲しい。「会長」って必要ないでしょ!

 いつも読んでいただき、ありがとうございます。本日も皆さんにとって良い一日でありますよう、祈っております。

シンジ

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