「デフレの原因」

おはようございます。
公響サービス、代表のシンジです。

 誰でも年とともに右肩上がりの給与を求める。だって、子供が大きくなれば食べる量も増えるし、着る服も大きくなって高額になる。塾にも通うし、学費も上がる。要するに必要経費が増えていくのに合わせて、給与も増えてくれなければ生活が出来ない。それを年功序列と終身雇用で実現してきたのが、昭和の時代だ。
 いまでも右肩上がりの給与を求めることは変わらないが、政府は労働生産性を上げろといい、働き方改革で残業が出来なくなってきた。そうすると、給与が上がる要因がなくなり、右肩上がりの給与は夢となる。
 企業は賃金を上げれば利益が出なくなり、下手をすると倒産してしまうので、出来るだけ安い労働力を欲しがる。政府は人口減少に合わせて、外国人労働者を移住させようとしている。元々日本企業は、安い労働力を求めてアジアの新興国に進出し、JIS規格品を製造させてきた。日本工業規格なのに、日本で作っていないのだから、恥ずかしい。そうやって、昔の植民地政策と同じことをしているから、コロナでアジアのロックダウンになって、部品が入って来なくなったのだ。そうやって自分達の首を絞めていることに、まだ気づかない経営者が多くいる。
 中小企業経営者は、大会社の要請にこたえて毎年コストカットを行うが、それでは右肩上がりの給与など払えなくて当然だ。だから、植民地政策に舵を切ったのだ。それでも毎年のコストカット要請は厳しく、もう削れるものが無くなってきている。
 大会社の経営者は、自分の任期が終わるまで、良い数字を残すことが目的化しており、下請企業をいじめて利益を出し、下請け企業を踏みつけて利益を確保してきた。1円でも「安い」ことが「良いこと」になり、より安い物を買って会社に利益を残し、給与は上げない。だから、サラリーマンも1円でも安い商品が個人消費される。我が国の個人消費はGDPの55%だ。アメリカは70%だ。ここが伸びないから、GDPは上がらない。賃金も上がらない。日本は「安いもの信仰」にはまっている、というわけだ。
 原材料が上がったといって、現在価格転嫁が出来ているのは大企業ばかりだ。中小企業への支払いは「いままでの実績」という伝家の宝刀を抜き、価格転嫁を許さない。だから、格差は広がる一方なのだ。そうすると、「安いもの信仰」はやめられなくなる。
 「デフレの原因」はそんな目先しか見ていない経営者たちが、植民地政策を行った結果なのである。サラリーマンはただ従っただけだ。政府は関係ない。悪いのは、視野が狭く、時間軸を短くしかとらえられない、日本の経営者たちに原因があるのだと、私は思う。

 これを脱するには、価格を上げる以外にない。見積金額を低くする競争を止め、より高く見積もりを出し、その中で仕事が受注できるように工夫をしなければ、我が国の中小企業とサラリーマンに未来はない。
 大企業は「いままでの実績」という伝家の宝刀を振りかざすだろうが、いままでなど関係ない。未来のことは、過去の実績で決められることじゃない。時代は刻々と変わっている。むかしの慣習など捨ててしまえば良い。従業員のより良い未来のためには、値上げには応じてもらわなければならない。応じないような大会社とは手を切って、もう仕事の協力をしてあげなければすむことだ。そのうち、協力してくれるメーカーはいなくなるだろう。お客様は選ばなきゃいけない。お客様は神様じゃない。「デフレの原因」は経営者に原因がある。我々が変わらなければ、人のせいにしていては、何も変わって行かないだろう。みなさんの健闘を祈る。

 いつも読んでいただき、ありがとうございます。本日も皆さんにとって良い一日でありますよう、祈っております。

シンジ

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