「お客様第一主義」

おはようございます。
公響サービス、代表のシンジです。

 お客様第一主義を掲げる会社は多い。だが、上手く行かないことの方が多い。それはなぜか?そもそも仕事とは、お客様の悩みを解決するために存在しています。お客様が欲しいサービスや、欲しい商品を提供するのが、企業の使命です。ドラッカーの理論の通り、企業の目的は「顧客の創造」です。それは間違っていない。違うのは、顧客の定義なのです。
 顧客とは誰なのか?そう問うと、「お金を払ってくれる人だ」という考えになるから、定義がずれてしまうのです。その定義で行くと、助成金をくれる国も顧客になってしまいます。だから、顧客の定義は「その会社に関わった人、地域社会」すべてを指します。つまり、従業員も顧客なのです。それを理解せずに「お客様第一」を実行するから、不協和音の響きから抜け出せないのです。
 例えば、「無理な日程だけど、お客様の指定は第一にしなければならない。無理してでも休日出勤してやれ!」となります。これでは従業員が疲弊して辞めていきます。
 「無理な値段だけど、お客様の指値だから仕方ない」と受注してしまうと、どんどん赤字を垂れ流し、結局会社が存続できなく倒産し、お客様にサービスや商品を届けられなくなり、従業員は職場を失う。経営者は借金を抱えて再起不能になる。結局お客様の言いなりになって、幸せになれる人は誰もいないのです。これを分かっていない人が、世の中あまりに多く感じます。

 そもそも従業員は、お客様の悩みを解決するために入社しているわけじゃありませんから。従業員に「お客様第一」などと言っても、心に響くどころか、心の中では「何言ってんの?そんなことより給与を上げてよ!」と思うのがオチだ。そんな従業員心理も分からない経営者が「お客様第一」と念仏のように唱えて会社を倒産させているってことです。ではどうしたらいいのか?単純なことです。

 あなたが誰かに何かしてあげたいと思うのは、自分に余裕がある時ですよね。余裕がないのに寄付をする人はいませんし、自分が助けて欲しいと思うものです。だから、経営者がまずすべき「お客様第一」は、従業員の幸せを考えることです。
 何も給与をあげる必要などないので。有給休暇をきちんと取得できているか?管理をしてあげる。時には一緒に飲みに行く。誕生日には、一人ひとりにメールやはがきを送る。従業員にきちんと向き合って話しかけ、話しを聞くことが一番重要だ。従業員の家族にも気をつかう必要がある。理解が得られなければ、会社を辞める理由になる。お金よりも仕事にやりがいを持ってもらうことに努力する。そして従業員が、仕事が出来るようになり、生活にも余裕ができてはじめて、お客様のことを考える余裕が生まれるのだ。その段階に至らずに、最初から「お客様第一」など掲げても、経営者の考えと従業員の考えは一致せず、組織として何も進まないどころか、結局足を引っ張られることになる。だから、組織がきちんとできてきてから、「お客様第一」を言えば良いのだ。初めから言っているから上手く行かない。
 社長の思いなど、口で説明したくらいでは従業員には伝わらない。でも従業員は返事だけはしっかりとする「わかったか?」「はい」日本語の理解ができました。でも、納得していません。だから、結局「お客様第一」など出来ないのだ。社長がまずすべきこと。見つめ直してみてはいかがでしょうか?

 いつも読んでいただき、ありがとうございます。本日も皆さんにとって良い一日でありますよう、祈っております。

シンジ

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