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出来る、が増える街

ガスコンロの使い方も、洗濯機の回し方も、自動改札機の通り方も分からなかったあの頃。
何もできなかった状態、それは、「出来るようになれること」が身の回りに溢れている状態でもあった。

街に出れば、絢爛豪華な電飾。真夜中にも煌めく光の粒。
真夜中にも、それを観る人が居るからこそ、灯っている。

空路も陸路も航路も、東京から多くの路が始まっていく。
行きたいと思った場所、物理的に遠く離れた場所であっても、東京から交通機関に飛び乗れば、ものの数時間で到着してしまう。

北海道の海産物、東北の自然、上高地の涼しさ、北陸の蟹、瀬戸内の明るさ、九州の畜産。他にもたくさん。
日本のすべてが、東京に開かれている。

自分は自由だと心底思った。何でもやれる、どこにでも行ける、誰とでも会える。

#上京のはなし

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