はじめてのサイダー

はじめて飲んだサイダーはいつだったろう。

むかしむかし、おばあちゃんの家で飲んだ三ツ矢サイダーが初めてだったんじゃないか。
冷蔵庫から取り出した缶のチリっと冷たく青い感覚は、小さい頃缶ジュースを飲む機会が少なかった私にとって特別なものだった気がする。

お姉ちゃんが美味しそうに喉を鳴らして飲むのに小さな私はまだシュワシュワする一口をゴクリ、と飲めなくていつまでもスプーンですくって飲んでは刺激に顔をしかめながら、でも楽しんでいたのを覚えてる。

カーテンで外からの光を遮られたほの暗い部屋の中でガラスのコップに入ったサイダーの楽しそうなパチパチとコップの中の泡を見て過ごした暑い夏の昼下がりが今でも忘れられない。


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