見出し画像

アガベ ピーコッキー?オテロイ?

 最近、アガベ界隈で話題になっているワード?のピーコッキー。上の写真は我が家の「オテロイ」です。
本来は自生地も限られそれほど世の中に出回ることのない品種だったのではないかと思います。何らかの手違いや間違いで種子が出回り、誤りが訂正されないまま、というか誤りに気づく手段が皆無の状態で育成する人々の手元に届いてしまった結果なのではないでしょうか。
 この経緯にかかわった人の中にもおそらくは悪意を持った人はいなかったものと思います。アガベの種子は品種の違いによる外見上の相違はかなり小さく、入手した種子の外見からその種を見分けるのはほぼ不可能でしょう。種子の仕入れ?先は栽培株からというよりは自生地の開花株から採取することが多いと思われますが、出荷者(種子の採種をする人)は、高まった需要にこたえるため(つまりはもうけを多くするため)本来は異なる種の種子を偽って出荷したとは考えにくいのです。

 もちろんピーコッキー自体には何ら落ち度はなく、適切に栽培すれば魅力的な種だと思います。とはいえ、本来思っていたものと違う種を育成してしまったという現状に失望している方は相当数おられるのでしょう。

 アガベの種子の取り違えというのは、私の経験からすると、意外と頻発しているのではないかと思います。
 まだ栽培を始めて3年程度ですが、入手時に得た情報(種類名)と発芽後に現れた特徴が一致しないという現象は他の記事でも紹介している以外にも数件あります。最初は自分の栽培方法が間違っているのかな?程度の疑念から始まりますが成長に従って種の特徴が現れてくるに従い種子の取り違えなのかなと思うようになります。まあ、多少のがっかり感はありますが、絶望とまでは言えず次のロットで再挑戦しようかと考える程度で切り替える程度でいいのではないでしょうか。

ストリクタで入手し育成中でした。ストリクタの特徴は皆無だと思います。

 さて、今回の騒動の根本は、アガベという植物のうち、特定の種(チタノタ・オテロイ)に人気が集中してしまい、その種子の需要が以上に高まったというところにあると思います。私がチタノタ、オテロイをあまり好きではないのも、その種そのものを好きではないのではなく、現在の異常とも思えるブームが気に入らないのです。特定の特徴のある株に名前を付し、栄養増殖によって増やしたものを高値で取引する風潮が嫌いなのです。
 「品種の選び方」でも記した通り、自分の気に入った特徴を有する種を選び、さらに気に入った株を大事にするだけでいいのではないでしょうか。「名前」にこだわり、ましてや投機目的で株を入手するのは間違っていると思います。植物人気は、ブームが過熱すると人々が熱狂し、投機の対象となったりすることは過去のチューリップバブルや江戸時代の朝顔ブーム等の歴史からも明らかですが、必ず終焉は来ます。現在のチタノタブームはまさにチューリップバブルの小規模版となっているのではないでしょうか。興味のある方はチューリップバブルで検索してみてください。ネームド株の流行や株の増殖法など、類似点は多々あると思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?