映像コント『実写ファイナルファンタジー』『ユ二クロのCM』(2005年)の解説

※※ どうぞ動画を見てからお読み下さい ※※

映像コント『実写ファイナルファンタジー』『ユ二クロ』
脚本・演出 高山 銀平

2005年6月 カカフカカ企画第14回本公演『サザエ3』にて上演
(カカフカカベストコント黎明編に収録)


数年程前から炎上系ユーチューバーやバカッターなどと非常識な若者たちが社会問題になりましたが、
我々は15年前だったのでSNSがそれほど普及しておらず、僕は晒されたり逮捕されたりしませんでした。(悪運)

『実写ファイナルファンタジー』は新宿のど真ん中でゲリラ撮影しました。
(ごめんなさい本当にごめんなさい)

この空撮っぽく見えるのは、当時はもちろんドローンなどありませんので、
近くのパチンコ屋の4階から撮りました。

現場ではもちろんBGMなどありませんので、カメラの画角外でスタッフが大きな声で、

「1!(一人目攻撃)2!(一匹目のモンスター死亡)3!(二人目攻撃)4!(二匹目のモンスター死亡)・・・」

と支持をしています。

通りすがりの人はさぞや驚いたでしょう。
(しかも初っ端の攻撃は女性にクリティカルヒットしていますごめんなさい本当にごめんなさい)

信号が青のタイミングで決行したのですが、
画面外では横断歩道を渡ろうとしていた大勢の通行人たちが歩みを止め、
僕らの奇行の一部始終をただただ見守っていました。
(ごめんなさい本当にごめんなさい)

公園や河川敷でのブリーフ姿の撮影を数度経ていた僕たちの神経はもうとっくに麻痺していたのです。

この撮影は流石に入念なるリハーサルが必要なため、
メンバーにはしっかりネタバレをして臨んだのですが、(当たり前)

「嫌な奴は抜けていいんだぞ」

「(目を見開き息切れ)フーッ、フーッ」

「終わったら全力で逃げるんだぞ」

「(目を見開き息切れ)フーッ、フーッ」

カチコミ寸前の仁侠映画の1シーンのようでした。


『ユニクロのCM』について
当時ユニクロは急成長の真っただ中、CMもお洒落で革新的なものばかりでした。
その中の一つ、アーティストなどがインタビューを受けている1シーンを切り取って、
《そんなカッコいい彼が着ているこの服はなんとこのお値段なんです》
というものがありました。(わざと環境音を大きめに入れたのがカッコ良かった)

それをブリーフでやっただけです。
(カカフカカ企画の創設メンバーS氏のアイデアを頂きました)

この撮影場所の周りにもたくさんの人はいたのですが、
これくらいでは僕らにとってはもう何の刺激もなく、
誰も労ったりはしませんでした。

そうです。終わりの始まりなのでした。

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