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【政策参与のおはなし(その16)】危機管理体制から考える役場庁舎について意見を述べる(2023年12月25日第2回吉野町行政サービスの変革・新庁舎整備検討審議会)

これは何?

※以下、テンプレ的に吉野町審議会の場合は同じ記載です
2023年11月から設置された奈良県吉野町の審議会「吉野町行政サービスの変革・新庁舎整備検討審議会」の委員になりました。

参与としての肩書で、他自治体の審議会に参画することになったので「政策参与のおはなし」という括りの中で審議会で活動を記録するものです。

審議会では議事概要なども公開されていますので、基本的にはそこの私パートの抜粋を中心にしつつ、補足があれば追記する(今回は小見出しをつけました)スタイルでと思います。

意見を述べました

1月18日に会議録の速報が掲載されました。第2回審議会は、「管理体制から考える役場庁舎」をテーマとした回で、オンラインで参加した私も各委員順で意見を述べています。

以下は、12月25日に述べたことですが、その後の能登半島地震での通信や電源途絶を目の当たりにした今、平時でどれだけのことが本当に心構えできるのか改めて考え直さないといけないなと思った次第です。

(委員長)
今いただいたお話(※杉中委員より「自助・共助・公助 国・県・市町村の役割」としてお話されたもの)、皆さんもご見解やコメントがあるかと思いますので、一旦ここで皆さま方のご意見を頂きたいと思います。時間の関係もあるので、1人1~2分ぐらいでご所見を頂きたいと思います。

通信や電源の確保が災害時にどれだけワークするのか確認が必要

皆さんこんにちは、東です。今日はオンラインで失礼しています。皆さん方にいろいろお話もいただいたので、補足的なところになりますが、デジタル等という観点で言うと、通信や電源の確保は極めて大切だということが改めてあったかと思います。その上においては、国や県、それから防災関係機関が整備するところがあると思いますので、役場だけで決められる話ではないと思いますが、今回検討に当たっては、実際どうなっていて、いざという時どうなるのかは、十分確認しておく必要があると思います。

災害時に情報の途絶がもたらす影響は甚大

と申しましたのは、お話があったように、情報提供が途絶えていると町民の皆さんは不安になりますし、吉野が仮に被災した場合、他の地域では情報がやり取りされていて、そのために不正確な情報が拡散するリスクが現在いろいろなところで起こり、これはますます大きくなる可能性があります。

またお話の中にありましたが、吉野が観光地であるということは、風評被害対策という観点も重要です。町がどれだけのことをするかということはあるかもしれませんが、こうしたハード対策の時に、そうした通信や電源の環境をいかに十分確保しておくかは大切だなと、改めて思いました。

※総務課(防災担当)からの説明を踏まえて
(委員長)
先ほどと同じように、1人1~2分という見当でご所見なりをお話しくださればいいと思います。細やかなことに関する質問等は事務局に直接言ってください。ここでの質疑応答は省きます。

日常の中に非日常に関する情報に接しておくことの重要性

今回のようなお話は、吉野町外の人間ですが、災害等のいわゆる非日常を理解して具体的な行動を起こすために、こうした会議の場ではありますが、様々な情報に接して考える機会は大切だなと、改めて気付いたわけです。共助の話は置いておいて、私からは公助のところで、庁舎について少しコメントします。

日常と非日常は二者択一ではない

お話を伺っていて、いわゆる日常と非日常の部分をどう考えるかが重要だと思いました。どうしても何かスイッチが切り替わるように、今までは日常で、災害が起こって非日常になってというようなことももちろんありますが、お互いが連続しているような考え方も大切ではないかと思いました。いわゆる「備えあれば憂いなし」という言葉には、どうしても何かしまい込んでしまうようなニュアンスがあるのですが、備えも憂いも両者が隣合わせで、それについてどう考えるかという考え方もあります。同様に、集中化・分散化という意見も先ほどあったと思いますが、どちらかというと集中する場合もあるし、分散していても同様に対応できるかどうかという観点で考えるような、何か二者択一ではなく、重なっている部分をどう見るかという視点が重要なのかなと思いました。

「備え」の中にある不確定要素を踏まえて、非日常でも使える業務のやり方や体制を織り込んでおく

また職員の参集状況のお話を聞いていると、どうしても限定的な体制で、しかも二十何%の方と書いていましたが、実際は誰が本当に来られるか、不確定要素が災害の種類によってたくさんあることを想定しておかないといけません。それは強調しておく必要があると思いますし、その参集して対応される職員さんも、今日皆さん方のお話の中に、「あの時の経験が・・・」、というお話がありましたとおり、経験をしていないとリアルに実感できないということを織り込んでおかないといけません。何かいろいろな条件を備えて、できる・できないというようなことが本当に機能するかどうかは、機能しないことも含めて考えておく必要があると思います。

そこで庁舎のあり方との関係で言うと、ハードの条件として何かこういうものが必要だとか、これはこれぐらいのレベルのものが必要というような意見は、こうした皆さんの議論の中でだんだん収斂していくと思います。けれども、その条件に適っているかどうかということだけで評価するのではなくて、両隣になっているという意味では、日頃からどのようなことができるかを改めて考えておく必要があるかと思いました。そうすると、災害の時に役場がどう動くかだけではなく、日常の中で非常時ではないが、非常時でも使えるような業務のやり方や体制を、予め織り込んでおくような考え方。例えばテレワーク、リモートワーク、在宅勤務等と言われますが、そうしたものを通じて、今日私もオンラインで参加しておりますが、何か非常時に、みんなが集まれなくても何かしら業務が継続するようなことはあると思います。BCP計画のご紹介もいただいていますが、役場の中でそれが本当に機能するのかどうかを絶えず試すことで、非常時も職員さんが分からないままやるのではなく、ある程度普段使っているやり方で、きちんと対応ができるということを考える視点で、どれだけできているかを確認する必要があるかと思いました。

平時の中にあるさまざまな職員の状況への対応にもなる

またこの審議会で職員さんの働き方にもきちんと目配りしようという意味では、そうした非日常にきちんと機能するために日常から考えるという観点は、職員さんの置かれた状況、例えば子育てやこれからダブルケアが始まる等、いろいろな状況に遭遇する職員さんも数多くいらっしゃると思います。そうした方もきちんと仕事が続けられる、職場の皆さんがそうした職員さんにきちんと目配りをして、安心して仕事がお互いにできるような環境をつくっていくことが、非常時・災害時・究極の危機の時にも、きちんとそうしたものが情報連携という意味でワークする重要な要素になると思います。

非常時にどうするかだけではなく、日常の業務の中で、そうした訓練というよりかは、もう普通に仕事の中でそうしたこともきちんとできるような視点で庁舎と仕事のあり方などを考える必要があるかと思いました。

次回の私のお話では、そういう観点からもコメントをしないといけないかと思った次第です。

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