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旅行中に「コロナにかかった」と慌てる前に考えておきたいこと

イントロダクション

先日、東京に長男(高1)とオープンキャンパスのためにでかけていたのですが、3日目の夜、実家に移動してから長男が発熱して最高41℃まで上がりました。

実家の一室、あるいはホテルで療養・看病して、なんとか熱が下がりPCRや抗原検査を受けたのですが、私・長男ともにどちらも陰性でした。

結果オーライでしたが、旅行先で発熱した場合、色々対応が大変だと感じたので、経験を元に、旅行前に準備できることをまとめておきます。

持ち物

体温計とSPO2計測器

体温計は必須です。可能であれば携帯パルスオキシメーター・SPO2(血中酸素濃度)測定器も持参しておくとベターです。

SPO2測定器は、主に肺炎化していそうかの判定に使います。あくまでも素人判断なので、医療従事者に状況を伝える時の補足情報のために持参しておく目的です。

うちは2台持っていますが、Amazonで買った中華製は挙動が怪しかったですが、こちらの機種はちゃんと計測できているっぽいです。

血中酸素濃度はAppleWatchなどのスマートウォッチで計測できる場合がありますが、精度については医療用ではないと明記されています。

信頼性については事前に各メーカーの説明をチェックしておくのをオススメします。また、日々測定して変動を確認できるようにしておくのがよいでしょう。参考にApple、ガーミンの血中酸素計測機能の説明を載せておきます。

血中酸素ウェルネス App の測定は、医療目的 (自己診断や医師への相談を含む) ではなく、あくまで一般的なフィットネスとウェルネスを目的としたものです。
血中酸素ウェルネス App は 18 歳以上の方が対象です。

Apple「Apple Watch Series 6 や Series 7 で血中酸素ウェルネス App を使う方法」より

*本機能は自己診断又は医師への相談をはじめとする医学的な使用を意図するものではなく、疾病の治療、診断、予防を目的とした医療機器ではありません。

ガーミン「血中酸素トラッキング」より

心拍変動測定アプリ・機器

心拍変動(HRV)は計測アプリ、スマートウォッチ、無線デバイスによる計測が可能になっています。新型コロナ発症後に、そうでない場合と比較してHRVパラメーターが有意に変化する、あるいはHRVが低いと重症化の可能性がある、という研究結果がいくつか出てきています。現在はまだ有効性が示唆されている段階のようです。

HRVの計測については、拙書の『「アジャイル式」健康カイゼンガイド』の中でも紹介していますが、主に身体の疲労やストレスに影響を受ける自律神経系の働きの程度を可視化するために、日常的に個人の健康をモニタリングする有用な指標だと考えています。

普段からHRVを計測しておくと、異常時の変化に気づきやすくなります。旅行中に普段計測していないHRVをいきなり計測しても、その値が平常時と比べて有意な差があるかどうかは判断がつきません。また、その原因も新型コロナ以外の単なる疲れなどの可能性もあるので切り分けはしにくいでしょう。

そのため、HRV単体でコロナ罹患を判定する指標として使うのでなく、体温、血中酸素濃度、自覚症状など複数の指標と照らし合わせて自身の健康状態を把握する用途に向いています。

ちなみに、筆者は日常的にHRVを計測していますが、長男発熱後も数値に変化がなく、体温、SPO2も正常値、自覚症状もなかったため、感染していないと推測していました(検査は陰性)。

もちろん、素人判断で「大丈夫」とするのでなく、あくまでも今回のように外来にかかれない場合の代替手段や、日常的なセルフモニタリング用途として考えておきましょう。

解熱剤

解熱剤は発熱を抑えますが、常時使うって熱を下げるというよりも、高熱で眠れない・つらすぎるなどのための緩和用として用意しました。

長男の場合、経口摂取すると、40℃→38℃台に、38℃→36℃台に下がっていましたので、平均2℃程度低下するようでした。

発熱そのものは生体のウィルス撃退のための働きなので解熱剤を飲み続けて体温を下げようとするのは逆効果とは考えていました。今回の場合、高校生の息子の自己判断で飲むかを判断してもらうようにしました。結果的にはピーク時の二晩それぞれ1回ずつ飲み一時的に解熱しました。

現地の薬局で入手するのが難しそうなケースも考えて持参するのがよいでしょう。

発熱時の解熱鎮痛剤については、アセトアミノフェンが推奨されています。今回、実家の近くの薬局でアセトアミノフェンのみの解熱剤を探しましたが見つかりませんでした。

薬局にあったバファリンプレミアムが、イブプロフェンとアセトアミノフェンの配合だったのでそちらを使いましたが、アセトアミノフェンのみのほうが望ましいようです。有名なのはカロナールですが、入手しにくくなっているとうニュースもありました。事前にアセトアミノフェン100%の解熱剤を入手しておくのがよいですね。

経口補水液・スポドリの粉末

発熱時は脱水症状に陥らないように、水分補給をこまめに行います。

通常ミネラル補給も考えて経口補水液やスポーツドリンクを飲ませることになると思いますが、近くにコンビニやスーパーがない場合は入手できない可能性があります。粉末タイプを持参すると、現地で水を調達すれば大量にスポドリ・経口補水液を作ることができるので重宝します。

液体状態だとかさばるので、荷物を軽くしたいのであれば粉末用を持参しておくのをオススメします。

ちなみに今回は、ポカリと経口補水液両方を用意しましたが、息子が「経口補水液は美味しくない」といってポカリしか飲みませんでした。(そのかわり、ポカリばかり飲んで口の中が甘くなって辛いと後でいわれました。。。)

保険証

通院を想定して携帯必須です。コピーではなく実物がよいそうです。

多めの着替え・タオルなど

とにかく発汗するため着替えを多めに持っていくのが望ましいです。汗を拭いたり、冷やして保冷剤代わりにするなどタオルも多めにあると安心です。ホテルに滞在する場合にはタオル類は交換してくれるので安心ですね。

事前にコロナ感染時のタオル交換のオペレーションについて確認しておくと安心でしょう。

検査キット

抗原検査、PCR検査の検査キットを事前に入手しておくと安心です。これは、必ずしも現地で発熱外来を受けれる保証がないためです。検査キットを発熱後に入手しようと思っても、現地では入手できない可能性が高いので、事前に準備して持参しておくのが楽です。

今回の場合、薬局の抗原検査キットは全て売り切れで、妻が自宅で入手したPCR検査キットをホテルに送ってもらいました。

先日のニュースによると近々抗原検査キットもネットで販売されるようです。

今回は、陽性だと思っていたのが陰性だったので、検査の精度はそれほど信用できないというのがわかりました。

検査結果が陰性・陽性に関わらず、症状を観察した上で、楽観よりも悲観ケースを考慮した対応をする方が望ましいと感じました。

仕事道具(PCなど)

現地でコロナに感染して移動が困難になった場合を想定して、リモートワークができるように仕事できる環境を持参しておくと安心です。

ノートPCだけでなくミーティング用のヘッドセットなど必要なものがあればよいでしょう。私の場合、iPadだけ持っていったのでMacBookProを持っていけばよかったと後悔しました。

今回の場合、妻にMBPをホテルに送ってもらいました。

事前調査

旅行先の医療機関の情報

発熱外来を受け付けてくれる病院は限られており、2022年8月現在ではその枠も非常に限定的です。事前に旅行先周辺の医療機関で、発熱外来を受け付けてくれる病院とその時間帯を調べておくと安心です。

今回の場合、埼玉県のサイトで発熱外来の一覧を検索して電話をかけましたが、大きな病院ほど外来が殺到するのを避けるために、かかりつけ患者のみの受付になっていました。小さなクリニックの少数の発熱外来の枠を争うことになり、何件も連絡しましたが発熱外来を受信することができませんでした。

埼玉県の場合は、発熱外来の枠の数、受付時間帯などの情報を公開してくれて助かりました。

ただし、県によってはそこまでの情報を公開していない可能性があります。ちなみに筆者の住んでいる愛媛県では病院の一覧のみ公開情報として掲載されていました(しかもPDF!!)

訪問県の受信・相談センターに連絡をして状況を伝えて病院を紹介してもらう流れが順当ですが、今の感染状況の段階だと難しいかもしれません。

隔離期間について

発症日から10日間経過し、かつ、症状軽快(解熱剤を使用せずに解熱し、呼吸器症状が改善傾向)後72時間経過した場合

埼玉県「新型コロナウイルス陽性者及び濃厚接触者の療養・待機期間について」より

となっています。

今回の場合は、抗原検査・PCR検査ともに陰性で、かつ症状が収まって72時間以上経過していたので、10日目で自宅に戻りました。

我が家は結局病院も保健所もお世話になっていませんが、通院した場合は病院もしくは保健所の指示に従うのが無難でしょう。

飛行機キャンセル

飛行機を発熱あるいはコロナ陽性のためキャンセルあるいは便変更する場合は、診断書などを準備することで、キャンセル料を返金してもらえる可能性があります。

ANAに電話で問い合わせた所、病院に行った場合は診断書を、発熱外来にかかれない場合は陽性の証明書をWebから送付することでキャンセル料を返金してもらえると聞きました。

今回は、発熱外来にかかれず、陰性だったためにキャンセル料は戻ってきませんが、もしもの場合は航空会社に問い合わせてみるとよいでしょう。

おまけ:事務所兼隔離生活スペース

筆者は、通常仕事をしている自宅から徒歩3分の事務所が、コロナ感染が疑わしくなったり、県外に出張にでたり、東京の娘が帰郷すると、隔離生活の施設としても機能します。

事務所といいながらも、マンションの一室なので生活に必要な最低限の設備は揃っています(冷蔵庫、風呂、トイレ、洗面台あり、ウォーターサーバー、調理器具は電子レンジのみ、寝袋、寝具一式)

元々コロナ禍前に借りていた物件なのですが、コロナ禍になって隔離施設としても利用できるので大変助かっています。

もし自宅の外に作業場を構えたい場合は、事務所利用が可能なマンションの一室を借りておくと隔離施設にもなるのでオススメします。

今回は、ホテルが延泊できなかったため、自宅にすぐ戻らずに、数日間長男と事務所で隔離生活を過ごしていました。

まとめ

結局、身近な人が一度も陽性になったことがないので、あくまでも自己判断&対応の結果に過ぎませんが、参考になれば。

しばらくは、発症前提で旅行準備していくのがよさそうですね。

皆様、よい旅を。

皆様のサポートによって、より新たな知識を得て、知識と知識を結びつけ、実践した結果をアウトプットして還元させて頂きます。