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Lyrics

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2022年3月の記事一覧

昨日のはなし

君は新しいジャムを 僕に渡す 瓶のふたを開ける その手際が好きらしい 僕は茹でたての玉子を 君に渡す 皮がついたままで 食べると君は嫌がるから あえてゆだねてみたりして 普段を装う空気がして 昨日の話の続きは 少し気まずいから テレビのボリュームを上げてみた 今日の山羊座の占いは まぁまぁそうだって ネクタイしめてる背中に 君の声がする いつもと似たような朝が 明日も来るとは限らないし 昨日の話の続きは 帰ってからしよう ちゃんとしない?なんて 意味深だったかも

エコール

僕らはどこかで レールを外れて 挫いた足を 引きずっていた 時代にならって 愛想笑いしながら 僕らはどこかで この場所を知って 毎日のように 挨拶をした 次第にそろって 冗談を言い合って たとえこの出会いが 偶然でも 絆が少し 続けばいい 刻んだ足音は 違うリズムで 痛みの分だけ 重なったエコー 知らないうちに 響いていたみたい 僕らは束の間 孤独を忘れて 不安や希望を 共にしていた なんだか少し 仲良くなり過ぎたかも いつか笑い声が 鳴り止んでも 胸のどこかに 残

グライダー

所在なくネットをめぐり 徒に時を持て余してる 裏通りの舗装工事は 忙しなくコンクリを削ってる 過ぎていく月曜の午後 夕陽に間延びしていく影 この部屋も 約束も 理想も 全部いらなくていい気がして しばらく振りに漕ぎだした自転車は タイヤの空気が足りなくて 宮前の長い長い登り坂は ひとしずく 汗が流れた 思い通りのはずの未来 どれくらい漕いでいけるのだろう ちらつく春の向こうから はしゃいだ子供がやってくる プラネタリウムの帰りらしい なんとなく避けるように 通りすぎる

ハスキー

その気な相手の 誘いを断り 今日は静かに 夜を漂う 窓辺にひんやり よどむ外気に 白いため息 深くひろがる あなたを困らせたいけれど 嫌がらせたくはないから あなたの影に 言い訳して 他の誰かを 想えるかも それよりも あなたが咎める 悲しむ 訳もないのに 改札前で 待ち伏せしたら あなたはいつも 気づいてくれる 少し後ろを 歩いてしまう 恋をながめるだけでいいから いつでも疲れた顔して 優しさにつけこもうとする そんなクセが嫌になる あなたは誰のものでもないと 言