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噦(しゃっくり)

風呂上がりに不安定な角度でリクライニングチェアーに座りながら座面に尻が完全に重心を預ける零・四秒前にストロングゼロを咽喉に流し込んだのがいけなかった。構造はよく分からないが食道ではない通路におれのシン・ストロングゼロ・レモン風味(無果汁)が微量入ってしまったために噎せてしまい暫し悶絶。ぜいぜい、と息をしながらようやく回復。しかしそこから我が横隔膜は堂々痙攣し、数十秒おきに近所迷惑な妙な音を発しながら周囲の空気を余計に吸い込み吐き出す。周期的な呼吸をインタラプトされて我、大層不機嫌である。この生活はいつまで続くのだらふ。不快な時は永遠とも思える。言い伝えでは噦が百回続くと死に至るとか。医学的根拠はないがホラ、そんな戯言を書いていたらまたヒュッと愉快な音を立てておれの九十九回目の噦が世の中に出て行った。もう要らないのに。もう要らないのにね。