カッパ先輩に学ぶ
知っている人も多いかと思いますが、好きな本をひとつ紹介させて下さい。
妹尾河童さん、映画にもなった「少年H」の作者と言えば分かるかな。
「河童が覗いたヨーロッパ」妹尾河童 著(新潮文庫)
文庫本で出ているので是非手に取ってほしい。驚くのはこの人の絵の緻密さに加え、文字も全て手書きなのだ。30年以上昔の本なので、ユーロ導入前、東西ドイツ統一前の世界。デジカメや携帯、スマホも無い時代。そう考えるだけでアナザーワールドだ。そんな時代にヨーロッパやソ連を歩き回り、安い宿を探しまくってこれでもかと記録に残した、この時代のこの人にしか出来ない旅。面白いのは日本人とヨーロッパ人の考え方の違い、例えば日本の空港では放送がうるさいけどあっちでは余計なアナウンスは鳴らないとか、そういった旅人が新鮮に感じることを淡々と書かれている。枕元に置いて毎日少しずつ読むと一緒に世界旅行した気分になれるかも。同シリーズでインド版や日本版などもあるので気に入った方はどうぞ。
ちなみにおれのペンネームのkappaは河童氏から取ったものではなく、名前の一部から取った「K」をイタリア語読みしたものです。