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任意売却のときに一番大変だったけど嬉しかったのは仏壇の処分だった話①

相続コンサルとは別に、住宅ローンの支払えなくなった方の自宅売却の
お手伝いもさせていただいてます。
いわゆる競売が成立してしまう前の、任意売却というやつです。

相続コンサルティングの場合、資産家の方にお世話になるのに対し、任意
売却の場合、お金に困った方のお手伝いをさせていただくことになります。
気持ち的にも、それほど楽しいものではありませんし、頂ける報酬もまさに
ケタ違いに少ないものになります。
???・・・・・何でやってるんだ?
これまた、地味な充実感でしょうか、、、

「小林さん、また儲からない話なんだけど、やっていただいていいですか?」
弁護士事務所を開業している、大学時代のサークルの後輩から電話。
立場は随分違ってしまったけど、案外卑屈にならずに済んでいるのは、それ
なりに楽しい仕事をさせてもらえているからでしょうか。
仕事の話は、普通に敬語でやりとり。
(ただ、「先生」とは言えないんですよね~)

すぐに、お客様の連絡先、登記簿ををFAXで送ってもらいます。
まずは、訪問のアポ取りを済ませてしまいます。

業者用アットホームのページから、間取図をダウンロード。
築浅の大和のファミリータイプのマンションです。
これは、売りやすそう。
スムーズに進めば、よい話になりそうです。
媒介契約書と、聞き取りシートを準備して、いよいよ訪問。

「こんにちは~3時にお約束いただいている、小林です~」
資産家の方を訪問する時よりも、努めて明るい声で。
住宅ローンを支払えなくて自宅を売却するというのは、少なくとも楽しいものではないので、こちらも緊張します。

今日のお客様は、、、、、
大和市のKさん。
ドアを開けたとたん、負のオーラに圧倒されます。
痩せこけて、目はうつろ、、、、
60歳半ばのはずなのに、10歳は上に見えます。
リビングは焼酎のペットボトルの空き容器で埋め尽くされています。
聞くと、四年前に奥様が亡くなってからは、全てにやる気が無くなってしまったとのこと。
なんだか、こちらまで寂しい感じになってしまいます。
ただ、立派な仏壇にはきちんとお供えがされていました。

雑談しながら、チェックシートを埋めていきます。
肝心の残債務の金額については、このような状況のお客様ご本人は把握していないことが多いので、これは後で弁護士か、債権者に聞くことになります。
売却希望金額などよりも、ずっと大事なのは、次の引越し先のこと。
どれくらいならば家賃を払えるのか?
引越し費用は持っているのか?
保証人はいるのか?
家賃の件は最悪生活保護を使うことで、引越し費用の件は、債権者、買主との調整をすることで何とかなります。

保証人が居ない場合は、引越し先探しが大変。
このような状況の方には、なかなか保証会社も審査を通してくれません。
今回の場合、義理の娘さんがいらっしゃるというので、まぁ、何とかなるかな、と甘い考え。(これが後で大変なことに。)

「スキ」が五つになったら続けさせていただきます。


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