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嫡出子ホリィさんと非嫡出子仗助さんとの相続分

Q

ジョセフジョースターさんが平成20年に88歳で亡くなりました。相続人は、妻スージーQさん・子ホリィさんの他に、仗助さんという婚外子がいます。

平成25年の民法改正により嫡出子と非嫡出子との法定相続分は同じになっていますが、平成20年の本事案で非嫡出子である仗助さんは嫡出子ホリィさんと同じ法定相続分を主張することができるのでしょうか?(こんな名前だけど、便宜上日本の法律が適用されるものとします)

A.主張できます

平成25年改正前民法では、民法900条4号但書に非嫡出子の法定相続分は嫡出子の2分の1とする旨が規定されていました。

しかし、平成25年に最高裁は同ただし書について、憲法の平等原則に反すると判示しました。これを受けて同年12月に民法が改正・施行され、現在では非嫡出子と嫡出子とは同じ法定相続分になっています。

この改正民法が適用されるのは、平成25年9月5日以後に開始した相続からとなります。

本問の相続は平成20年に発生したものなので、改正民法は適用されませんが、最高裁決定は民法900条4号但書について、「遅くとも平成13年7月当時において、憲法14条1項に違反していた」と判示していることから、平成13年7月以後に開始した相続については、同最高裁決定の射程が及ぶと考えられます。
ただ、同最高裁決定は法的安定性の確保との調和を図ることも重視していることから、平成13年7月以後に開始した相続のうち、遺産分割協議等が成立し、法律関係が確定した事案については前掲最高裁決定の射程が及ばないと考えられます。

★世戸弁護士のコメントです。
最高裁決定平成25年9月4日は,「本件規定(民法900条4号但書)は、本決定により遅くとも平成13年7月当時において憲法14条1項に違反していたと判断される以上、本決定の先例としての事実上の拘束性により、上記当時以降は無効であることとなり、また、本件規定に基づいてされた裁判や合意の効力等も否定されることになろう。しかしながら、本件規定は、国民生活や身分関係の基本法である民法の一部を構成し、相続という日常的な現象を規律する規定であって、平成13年7月から既に約12年もの期間が経過していることからすると、その間に、本件規定の合憲性を前提として、多くの遺産の分割が行われ、更にそれを基に新たな権利関係が形成される事態が広く生じてきていることが容易に推察される。取り分け、本決定の違憲判断は、長期にわたる社会状況の変化に照らし、本件規定がその合理性を失ったことを理由として、その違憲性を当裁判所として初めて明らかにするものである。それにもかかわらず、本決定の違憲判断が、先例としての事実上の拘束性という形で既に行われた遺産の分割等の効力にも影響し、いわば解決済みの事案にも効果が及ぶとすることは、著しく法的安定性を害することになる。法的安定性は法に内在する普遍的な要請であり、当裁判所の違憲判断も、その先例としての事実上の拘束性を限定し、法的安定性の確保との調和を図ることが求められているといわなければならず、このことは、裁判において本件規定を違憲と判断することの適否という点からも問題となり得るところといえる。以上の観点からすると、既に関係者間において裁判、合意等により確定的なものとなったといえる法律関係までをも現時点で覆すことは相当ではないが、関係者間の法律関係がそのような段階に至っていない事案であれば、本決定により違憲無効とされた本件規定の適用を排除した上で法律関係を確定的なものとするのが相当であるといえる。」と判示しています,

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