忘れてた!!
「共同担保としては、あの駐車場をいただきたいです。ただ、この駐車場は信託財産に入っていないようですが、大丈夫ですか?」
都内の土地を購入するにあたり、銀行さんから条件が出てきました。
このオーナーさんの不動産のほとんどは、息子さんに家族信託をされています。
この駐車場が信託財産に入っていないのは、地目が「畑」だから。
基本的に、農業従事者以外の人に農地の所有権を移転させることはできません。
信託の場合でも、登記簿上所有権が移転するので、農地のままでは信託できないことになります。
ただ、今回の信託契約の中には、地目を変更したときに所有権移転登記をする旨を入れてあるので、地目変更だけ済ませれば信託財産に入れることができます。
でも、この土地は、登記簿上の地目は畑であっても、実際には駐車場として使われています。
実際の使用形態としては、地目は「畑」ではなく、「雑種地」ということになります。
登記簿上の地目と、現況の地目とが食い違っている場合にはどうなるのでしょう?
表題部の登記の原則としては、不動産の現況を登記します。
駐車場として使われている以上、「雑種地」に地目を変更できそうです。
ただ、そこで出てくるのが農地転用許可制度。
都道府県知事などの許可権者の許可を得ないと、農地の地目を農地以外に変更することもできないことになっています。
そうは言っても、市街化区域内にある農地については、農業委員会への届出をしておけば、農地を宅地などに使うこともできるようになり、地目の変更もできます。
今回の土地も市街化区域内の農地なので、届出だけで済むはず。
川上さんにその届出を依頼しておきました。
役所から帰ってきた川上さん。
「2年前に届出を出しているって言われましたよ!」
すっかり、自分で出しておいたことを忘れていました、、、
いつでも登記できる状態になって、安心してしまっていました。
今度は、さっさと法務局に地目変更の登記を申請しておきます。
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