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測量をしておかなくてはならない、3つの理由


「いや~測量は手付かずなんですよね~」
相続のご相談に見える資産家の方たちの中でも、お持ちの土地の測量を完了している方は案外少ないもの。

確かに、不動産の売却などが無ければ、境界確定、測量が必要な場面なんて殆どありません。
ついつい先延ばしにしてしまうのも分かります。

更に、相続税の評価をする際も、法務局に備えつけられている公図等があれば一応不整形地評価などもできます。
なので、相続発生後でさえ測量をしないこともままあります。

「じゃぁ、そもそも測量なんて必要無いんじゃないの?」

いやいや、境界確定、測量はしっかり行なっておいた方がよいのです。

まず一つ目の理由は、正しい境界点を次世代に引き継ぐため。

境界確定が完了していないと、土地を分筆することも、間違った土地の面積を正しいものに更正することもできません。
土地を売りたくなった時などに、境界確定のできない土地は、価格が下がるのはもちろん、最悪売却できなくなる場合もあります。

境界に使われる杭というモノ自体は、特別なものではありません。
ホームセンターなんかでも普通に境界杭として売っていたりします。

隣地所有者の同意無しに勝手に境界杭を埋設しちゃう豪傑もたまにいます。
でも、それには単なる目印以上の効力はありません。

境界標という「モノ」+その境界標がお隣さんとの境界であることの「合意」があって初めて、その境界標は境界点としての意味を持つのです。

この境界標は必ずしも杭とか、鋲とか、金属プレートとかである必要はありません。隣地所有者同士で「この木の根っこから、あっちの木の根っこまでが境界線だ」、なんていうアバウトな感じで境界線を設定していることもよくあります。
このような場合でも、境界を合意した当事者同士であれば、特に境界問題は生じません。

しかし、当事者が亡くなり、次の代になってしまうと、境界がどこかなんて、もう誰も分からなくなってしまいます。

当事者が元気なうちに、もう一度境界点を確認しあって、その境界点の位置をきちんと測量し、誰にでも分かるように書面化しておくことが必要になるのです。

事前に測量して境界確定をしておかないと、正しい境界点を次世代に引き渡すことができなくなってしまうのです。

事前に測量をしておく目的の二つ目は、土地を有効に使うため。
所有している土地にアパートを建築する場合や、土地を売却する場合には、当然測量図面が必要になります。
でも、そのような場合以外でも、将来銀行に担保提供する可能性のある土地については、事前にしっかりと測量しておいた方がよいのです。
その場合、隣地所有者との境界確定のための測量だけではなく、その土地上にどのような建物、フェンス等の構築物があるか、についても測量しておく必要があります。
越境物があるかどうか、を確認しておくのです。

というのも、銀行は土地上に建物が建っている場合、その建物についても共同担保として抵当権を設定します。
土地の一部分だけに抵当権を設定することはできないので、建物が二筆の土地に跨って建っているような場合には、その二筆の土地両方に抵当権を設定せざるを得なくなります。
本来、担保として必要な面積以上の土地を担保に提供しなければならなってしまうことになってしまうのです。
それを避けるためには、建物の敷地部分を建蔽率、容積率、接道にも注意しながら、過不足なく分筆しておくことが望ましいことになります。
また、土地上に他人の建物が越境しているような場合には、その土地全体が担保不適格になってしまったりしてしまいます。
その場合には、越境している建物を取り壊してもらうか、建物敷地部分を分筆しておくことが必要になるのです。
分筆作業は、スムーズにいっても、1ヶ月くらいはかかってしまう(半年くらいかかることも)ことになるので、予め準備しておかなければ、いざ物件を購入するときになって慌ててしまう事になってしまいます。

三つ目は、相続発生前に測量しておくと、その測量費用は相続財産から消えてしまうから。
ある程度の資産家の土地を測量した場合、数百万単位での費用が発生することも珍しくありません。
相続発生前に行った場合にならば、相続財産からその分が差し引かれます。相続発生後に行った場合には、相続税を支払った後の金額から測量費用を捻出しなければならなくなるのです。
どのみちしなければならない測量ならば、相続発生前に行なっておいた方がお得なのです。

例えば、相続税の実効税率が50%の方が1,000万円かけて測量した場合、相続前に測量しておけば500万円も相続税が減ることになります。


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