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代償分割する時に必要な専門家

ご相談者は、
「お父さんのアパートを相続したい」
でも、他の2人のごきょうだいは、現金が欲しいとのこと。

典型的な代償分割の事例です。

代償分割の最大の問題は、
「このアパートの金額をいくらと見るか?」
実際に売却してしまうのであれば、売却したお金を三等分すれば良いだけなので簡単です。
ただ、今回のように相続人の一人が不動産を保有する場合にはそうはいきません。
なので、不動産鑑定により、相続人全員が納得する評価を出す必要があります。

一つは、この不動産の価格を3分割して代償金を支払う考え方があります。
例えば、不動産鑑定評価額が6,000万円ならば、アパートの取得者が他の2人に2,000万円ずつ支払うということになります。

別の考えとしては、売却した場合の諸経費・譲渡税などを支払った後の手残り金を基準として代償金を支払うという方法。
例えば、不動産鑑定評価額が6,000万円で、仲介手数料・譲渡税などで1,200万円かかる場合には、4,800万円を3等分した金額、1,600万円ずつをアパートの取得者が他の2人に支払うことになります。
この場合、アパート取得者の負担は少なくなることになります。

どちらが良いという訳ではありません。
相続人の皆さんが納得できれば良いのです。

今回のごきょうだいたちも、欲張りというわけではありません。
ただ、納得して遺産分割協議を行いたいというだけのこと。
ご相談者としても、一時の金銭的トクのために、きょうだい仲を壊してしまうことなんて望んでいません。

全員が納得できる資料をご提供することが、皆様のためになるのです。

今回は、林不動産鑑定士が不動産鑑定評価書を作成し、保立税理士が所得税の計算書を作成するというように、資格者が携わることで、相続人の皆様に安心していただける資料をご提供することになりました。


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