ブックレビュー「DAOの衝撃」
本書で”Web3”関連書籍を読むのは5冊目となり、流石に斜め読みできるようになってきた(気がする)。本書の発行は2022年11月。
著者は「Web3総合ビジネスサロン」を主宰する人で、これまでの経験を活かしてリアルとWebの融合を得意としているらしい。
タイトルはCatchyだが、内容は意外とオーソドックスで、コンパクトにかつ平易な表現なので入門書としては大変読みやすい。特にDAOの代表例のChapterは今まで読んだ本の中では最もわかりやすかった。
また具体的なDAOへの参加方法やDAOの作り方と運営方法まで指南しているので読者が実際のアクションにつなげやすい。
DAOを礼賛するあまり、DAOの問題点をあまり表立って指摘しない本もあるが、本書ではDAOのリスクを提示しているので中立性を維持しようとする姿勢もあるのだろう。
ただこれまで読んだ本と同様にDAOである必然性を理解することはできなかった。DAOでも出来るが、既存の組織でも出来るのであれば、新たな技術を学ぶなどを含めた設立の手間をかける人がどれだけいるのだろうか。
見る前に跳ぶ人にとっては”Just do it”なのだろうが、未だ必然性の部分でひっかかってしまうのは私の性分なので仕方が無い。
ただGoogle Trendでピークを記録した2022年7月から1年半が経ったが、未だ本書のタイトルにあるような「衝撃的」な事例が表れていないように思う。何等かのBreak throughが必要なのだろう。
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