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21世紀のギター・アルバム名盤111からひとつまみ

私はこどもの頃にGuitarを嗜んでいたことがあり、その後中学高校、Skiに熱中した大学は飛ばして、社会人になってからも仲間とBand演奏をしていた。今でもAcoustic6弦・12弦+Electricを併せてGuitarは6本、Mandolinを1本持っているが、今ではAmplifierにまでつなげて弾く機会はほとんど無い。

それでも多感な時期のそういう経歴からどうしてもGuitar中心の音楽というのをズルズルと聴き続けて来たことから、こういう特集(「MUSIC MAGAZINE 2022年9月号 特集21世紀のギター・アルバム名盤111」)を見ると触手を伸ばしてしまう。

現代三大ギタリストといえば、Derek Trucks, John Frusciante, John Mayerだと言われて久しいが、毎年技術的にも音楽的にも幅広いGuitaristがまだまだ登場しているようで、こういう特集で学習するのは十分楽しい。

一方「タイパ」を重視する若者たちはGuitar SoloをSkipして音楽を聴くとも言われている。数々の歴史的名演を知っている我々世代とはそもそも音楽との立ち位置が違いそうだからそれは仕方が無い。

そういう世代間ギャップを感じながらも、私の感性をベースに本特集で特に関心を持ったGuitaristを10人紹介したい。

1. More Than This by Charlie Hunter Quartet featuring Norah Jones

1967年生まれだから55歳と決して若い人では無いが、1990年代に今のNeo Soul Guitarが話題となってからその元祖だと言われているCharlie Hunter。7弦や8弦の変則Guitarを駆使して、Bass line、Chord、Melodieを同時に弾くスタイルはJazzのJoe PassやTuck Andressの影響が強いらしい。

2. Surgeon by St. Vincent

先のCharlie Hunterが影響を受けたというTuck Andressの姪が、このSt. Vincent。Performerとして際立つ容姿とは裏腹にGuitaristとしての評価も高い。2006年にSoloデビューする前は何とSufjan StevensのBandに参加していたらしい。

3. Walkin On A Pretty Daze by Kurt Vile

決して新しいきらめくような音では無く、逆にくぐもったLow-Fi感溢れる世界で、60-70年代のAmerican Rockの現代版とも言えるPhiladelphia出身のKurt Villeは数多くの同業Guitaristからも賞賛されている。元々はThe War on DrugsのLead Guitaristだった人。

4. If I’m Unworthy by Blake Mills

2013年にEric Clapton主催のCrossroads Fesivalに出演、その独特のSlide Guitarで一躍脚光を浴びたBlake Mills。元々はDawesの前身バンドに参加していて、SoloやSession活動以外にもFiona Apple, Alabama ShakesやSarah WatkinsのProduceなど幅広い活動をしている。

HaimのDaniel Haimと恋愛関係にあったが2012年に破局を迎えている。Blake MillsはFleetwood MacのTribute AlbumでBilly GibbonsやMatt Sweeneyと”Oh Well”を共作しているが、HaimがLiveで”Oh Well”を頻繁に演奏していたのはBlake Millsの影響かもしれないことを今回発見した。

5. Always Been a Lover by Daniel Donato

New Jersey州Atlantic City出身のDaniel Donatoは”21世紀の宇宙カントリー”を標榜するGuitarist。Little FeatのLowell George並の創造性を感じる。まさに古きを温め、新しきを知るスタイルで、こういう若い人は是非大切にしたい。

6. The Spoon by Oscar Jerome

Tom MischeやFela Kutiが学んだ名門トリニティ音楽院出身。Afro Beat BandのKokorokoのメンバーでもある。この風貌がスター性を感じる。

7. Super Sad by Melanie Faye

元々まだ音楽院でJazz Guitarを学んでいる時にInstagramで演奏ヴィデオが拡散したMelanie Faye。Alabama州出身だが、3歳でNashvilleへ家族が引っ越し、幼少時から作曲を始め、小学校三年時にCountry Music Hall of Fameで優勝しているらしい。

8. Jim Campilongo & Honeyfingers - at 55 Bar, NYC - September 8 2013

70年代から活動し、もう64歳になるJim Campilongoを21世紀のGuitaristと呼ぶのは本人も苦笑いしそうだが、2006年にはNorah JonesのProjectであるThe Little Williesにも参加し、2020年のLuca Benedittiとの”Two Guitars”をReleaseするなど2000年に入ってから脚光を浴びている。

9. Blacktal Fractal by Harriet Tubman featuring Brandon Ross

Cassandra Wilsonの"New Moon Daughter"などの名作でSupportを務めたBrandon RossはNew Jersey州New Brunswick出身のJazz Guitarist。Kip HanrahanやMeshell Ndegeocelloなどのアルバムにも参加している。

10. People Everywhere by Khruangbin

KhrangbinはTexas州Houston出身だがThailandのFunkに大きな影響を受けたといい、デビュー時代は「無国籍のThe Ventures」とも呼ばれた。Band構成は三人だが皆ビジュアルにも興味深い人達だ。

今年の11月に来日したが即Sold Out。日本でも人気を誇ることを証明して見せた。今年の7月からはGuitaristのMark Speerがギターマガジン誌で「マーク・スピアーの此処ではない何処かへ」を連載中。彼の独特のSoundに影響を及ぼしたGuitarist達を紹介している。

これらのGuitaristを含むPlaylistをApple Musicで公開中。


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