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街裏ぴんく独演会「一人」東京公演



人生で初めて、芸人さんの独演会を見に行った。

いわゆる単独ライブだ。その人しか出てこない、その人だけを楽しめるライブ。

1人で、街裏ぴんくだけを、ずっと見る時間。

そんなの最高に決まってる。




その日は小雨だった。

本人もまた雨かよとツイートしてたので、以前も雨が降ったんだ、と思う。


開場時間が近づき、そろそろかと思い会場の入口に向かうと、人がたくさんいた。それはもう、色んなジャンルの人がいた。

この人達がみんな街裏ぴんくの独演会を見に来ているだって?嘘だろ?



半信半疑のまま入場すると、スタッフの方が全員に特典みたいなものを配っていた。
袋を受け取ると、中身はぴんくさんのポスターみたいなものが2枚くらい入っていて、片方はサイン入りだった。え!?いいんですか!?と1人でテンションが上がりつつ着席。


客層は、普通のお笑いライブに比べて圧倒的に男性が多い。ざっと見て8割くらいが男性だった気がする。

それでも、共通の趣味を持つとは思えないような人達が同じ空間に集まっているこの状況に、ドギマギする。いいんだよね、私ここに座っても。

なんとなくで街裏ぴんくの独演会に来る人なんか居ないと思うので、みんな相当なファンであることは間違いない。



めちゃくちゃ素敵な空間だ。




そろそろか。




開演。


暗転の中、舞台へ登場する大きな男性のシルエット。
見覚えのある大きなシルエットだ。


BGMが消え、明転する。
そこには、ピンク色のスーツを着た大柄の男が立っていた。
紛れもなく、街裏ぴんくだ。


はっと息を呑む。
会場全体が、ぴんと張りつめた空気になったのを感じた。
目の前に生の街裏ぴんくが居るという状況に興奮を隠しきれない。
本当ならここで思いっきり拍手がしたいけど、そうはいかなかった。


彼はもうゾーンに入っている。

客席は一瞬で"聴く"姿勢になり、

街裏ぴんくの世界へと引き込まれる。




最初はR-1グランプリで披露した「初期メンバー」のネタ。
あのネタだ!と分かった瞬間、客席は沸いた。

途中まではR-1と同じ。しかし途中から、R-1の裏側の話へとスライドしていき、みんなが彼の嘘を喜んで聴いていた。

冷静に考えると異常な空間である。でも今は冷静でなんかいられない。




一つ目のネタが終わり大きな拍手。

ここで、オープニング映像が流れる。

街中にいるぴんくさんを様々な角度で撮った映像で、たまに左右対称っぽいデザインになるのが特徴的だった。
立っているぴんくさんはかっこよく見えたけど、座っているぴんくさんはおもしろく見えた。
たまにゆるキャラみたいに見えるんだよな、この人。なんて愛すべきフォルムなんだろう。




オープニングが終わる。


実はさっきから、真左に座っているおじさまの笑い声が尋常じゃなく大きくて、耳が割れそうになる(これは本当に仕方がないことだけど、お笑いファンにとって大きな悩みの1つ)。
本当に本当に響く声で、音に敏感な私にとってすごくキツい。AirPodsを耳栓代わりにしようかとも思ったけど、今この空間を100%味わわなきゃ損な気がしたので
この笑い声も含めて愛すことにした。




ここからは怒涛。ひたすら漫談を楽しんだ。

私が覚えている限り、少なくとも全部で15個のネタがあり、とんでもないボリュームと満足感。





2時間、色んなぴんくさんが舞台にいた。





叫び声をあげるぴんくさん。

歌うぴんくさん。

たまに自分で笑っちゃうぴんくさん。

暗転のタイミングが上手くいかなかったぴんくさん。

連続でショートネタをやり、息切れして舞台袖へ水を飲みに行ったぴんくさん。

オチ台詞を勢いよく言い過ぎてメガネがずれたぴんくさん。

(あと、光の加減かなんかでぴんくさんの右手が緑色に見えた瞬間があったんだけど、幻覚ですか?)





個人的に印象に残ってるのは松屋のネタ。
唐突で、なんにも解決してない終わり方だった。
シュールな四コマ漫画みたい。好き。

あとコウモリのマモルが思ったよりデカかった。


あと!!
だんご三兄弟のネタが生で見れた!!
最高でした、ほんとに。全体を通して聴くと、「下思兄(げっしけい)〜〜〜〜♪」のとこの異常さがすごい。
メロディが頭から離れない。もっと聴きたいよ、ぴんくさんの声で。

初見で一番笑ったネタが「増量」だから、もうそれぐらいぴんくさんのお歌が大好き。




たっのしい〜〜〜〜〜〜!!!!!!





ぴんくさんの面白さをみんなで共有する、愛しかない空間。

めちゃくちゃクレイジーで楽しい時間があっという間に過ぎ、エンディング。

やっぱり笑うのって楽しいな。


ホクホクしながら会場を出る。帰り道も雨。


帰りの電車で必死に記憶を辿り、ネタの概要をざっくりとメモした。
今、メモを見返しながら思う。
全体的に哀愁を感じるネタが多い気がする。
ポップというよりどこか寂しさを感じるような。


そういえば、お笑いライブを1人で見に行ったのって初めてだ。
しかもそれが、「一人」という独演会。

絶対走馬灯に残る。残れ。





エンディングでぴんくさんが言ってたけど、舞台袖に紫色の忍者がいるらしい。

今度行った時は見れるといいな。






だんっ!!!!!!!


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