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住み込みスタッフの成長

NGO CBBの長期インターンの山下です。

帰国前に思うことは、住み込みスタッフのことばかり。

考えすぎちゃって疲れちゃうこともあるけれど。

今日はひとりひとり、 CBBに来て成長したことについてお話しします。

ダエン

ダエンは18歳。中学3年生です。

彼は、6月に彼の家のある村に訪れたことがきっかけでした。

学校をやめてすぐ、家にいた彼と、お話をして7月から2019年度住み込みスタッフとして入ってきました。

彼は、5人きょうだいの末っ子。

物静かで、何も話さなくて、目が合うと笑う、大人しい子。

そんな印象でした。

ダエンがスクールに来て、一緒に住み始めた日

彼に最初にひらがなを教えたのが、わたしでした。

ダエンは、最初の頃から吸収力がすごく

初日で、あ行からさ行まで覚えて、書けるようになりました。

くりかえり、ひらがなの神経衰弱をし、覚えました。

生活面では、初っ端から頼りになる存在でした。

料理もでき、ご飯も炊ける、火も起こせる。

何かがこわれたときには、あるものと、知恵を使い、直してくれました。

そんなダエンにも、時々頭を悩ませることが。

田舎でのびのびと育ったダエン。

木登りや、木のみを使った遊びなど、自然の中に入って遊んで、時に怪我をすることも。

静かなダエンから、はしゃぐダエンまで

たくさんの姿を見てきました。

そんなダエンにもここで生活するにつれて、変化が訪れました。

11月に新しい住み込みスタッフ達が入ってきました。

それまでは、歳が近い住み込みだけだったので、そこまでリーダーシップを取ることはなかったのですが

年下が一気に4人も増えると、ダエンもお兄ちゃんに。

人の上に立ち、指示をだしたり、手本になるような行動が増えました。

前みたいに、危険な遊びはほとんどしなくなりました。

それどころか、掃除当番を決めようと、率先して表を作っていました。

このように、住み込み自身で考え、動くことができるのが素晴らしいな、と感心します。

勉強面でも、自分の学校での勉強をとても大切にしており、中学校卒業試験に向けて頑張っています。

生活面では、日本語力を活かし、時に通訳に入ってくれます。

通訳に入ることで、ダエン自身の日本語力の向上にも繋がっています。

まだまだ成長していくダエン。

高校卒業までの道のりは長いですが

千里の道も一歩から。

着実に進んでいけば、きっとダエンなら素敵な未来を切り開き、たくさんの人を幸せにできると思います。

諦めないで。

それを最後に伝えたいです。

ソリ

ソリは CBBイチの問題児かもしれません。


携帯にハマり、学校にも行かない、だけども遊びにいく、学習意欲がない、などいろんな問題があり、一度はCBBを離れました。

離れた後は、しばらくは学校に行かず、遊びまわっていたそうです。

心配したインターン生が家に行き、一緒に学校にいくこともありました。

そんなソリ。

スクールには時々生徒として勉強しにきていました。

ある日、ソリが「わたし、ここで寝たい」

と、CBBに戻りたいということを話してくれました。

その時にソリと、今後のことで約束をして、CBBに戻ることが決まり、今も一緒に生活しています。

数ヶ月過ごした共に彼は、やっぱり家族の一員です。

一緒にいない時の寂しさ、生徒として来て、帰る違和感。

今もまだ、たくさん問題は起こすけども

そんなソリにも変化はあります。

ソリは、CBBに復帰後、毎日学校に行ってます。

一回も、休んでいません。

そこは、たくさん褒めたいところです。

これが続いたらいいな、と思います。

また、時々リーダーシップを取り、助かるな、ということがあります。

新しい住み込みの数人は、ソリと昔からの付き合い。

「ご飯食べる!」とか「お皿を洗う!」と言うと、みんなが集まります!

これがこれからも続いたらいいなぁ……と、継続することの難しさを感じながら過ごしています。

ソパ

ソパは、私の中で一番成長したといえる住み込みスタッフです。

彼は10人きょうだいの末っ子。

ご家族のみんなから本当に可愛がられて育ってきたんだな、のがすぐにわかりました。

最初はみんなそうでしたが、ソパは特に言葉を発しませんでした。

初めて声を聞いたのは、あいうえおを習っている時。

ダエンがすでにできていたので、ダエンが教えました。

最初の頃は、何も手伝わず、何もせず、何も喋らず、ただ微笑みながらハンモックでゆらゆらと寝ている。

『とんだ箱入り息子が来たぞい……』と

インターン生と頭を悩ませたのも今では懐かしいです。

料理どころか、野菜の切り方も知らなかったソパ。

「クニョム ムンチェ」

が口癖だったソパ。

あまり物事を深く考えないまま

「クニョム ムンヨル」

と言っていたソパ。

そんなソパは、今は全く別人です。

日本語を学ぶ意欲は人一倍。

話したい、読みたい、書きたい。

いろんなことにチャレンジしたい、という精神がこちらにも伝わってきます。

ソパは自分でYou tubeで検索し、練習して、「Let it go」が日本語で歌えるようになりました。

Google翻訳をダウンロードし、ね語彙力を伸ばそうとしています。

日本語を話そうと一生懸命です。

そして、最近は「日本で農業をやってキャベツを作ったり、米を作るんだ!」と意気込んでいます。

ぜひ、わたしの田舎に来て欲しいです。

日本の第一次産業に、外国の若者が入ること

それは、これからの日本の未来の中でも大事なことだと思います。

ぜひ願いを叶えて欲しいです。

CBBに来て、誰よりも自立し、誰よりも勉強意欲があるソパは、住み込みスタッフみんなが見習って欲しい姿です。

新しい住み込み達

他には4人の子供が11月に住み込みになりました。

もう2ヶ月が経とうとしています。

みんな、どうでしょう。

最初の頃は、ソックンとかは手を合わせながら「ソームテンタウ〜」と言っていたのに、今はそれは見られなくなりました。

わたしそれすごく好きだったのに。

慣れです。

彼は根っからの長男気質。

新しい住み込みの中でも、お兄ちゃんのような存在です。

ティーリーはマイペース。

成長といえば、彼はソパといることが多く

聞こえた言葉をティーリーも使ったりします。

「あや、すごーい!」とか「わからない」とか。

まだまだ5年生なので、今からですが、頑張ってほしいです。

ポンは、最初の無表情で誰とも関わらなかった頃に比べたら、よく笑うようになりましたし、人とたくさん関わるようになりました。

関わる時間が少ない中、どのように関われば良いのか模索しています。

マカラーは、とても明るくいつもニコニコで「あやー」と呼んでくれます。

お兄ちゃんだけども、弟みたいな存在で

誰よりも甘えんぼ。

だけども、炊飯や掃除は進んでやってくれます。

マカラーの笑顔に癒される毎日です。

ですが、一方で、慣れって怖いなぁ、と思いながら毎日みんなの様子をハラハラとみています。

気にしすぎても、かえってこちらの負担にもなるので考えないことにしました。

そんなことを思いながら気にするのだけども

結局は楽しそうにサッカーをやる姿や

何も言わずともご飯を炊く姿を見て

やっぱりいい子たちだなぁ、と思うのです。

目に見える成長も、目に見えない成長も

どれも認めることができたら。

嫌なことや、悪いことに目が行きがちで

叱ったりすることもあるけれど

それ以上に、良いところを見つけられたらいいな、と思います
 

なんていえるのも、あと少し。

しばらく離れます。

その離れている間に何があるのかわかりません。

信じる。

それができたら、わたしも楽に日本に行けます。

帰国まで、あと少し。


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