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改めて思う語学の大切さ

スオスダイ!カンボジアの国際協力NGO CBBでインターンをしている、やましたです。

今日はシェムリアップからアーロンスオスダイです。

昨夜は、ナイトマーケットやパブストリートに行って美味しい食事を楽しみました。

念願のローチャー。
CBBインターン生の間で

『ローチャーは美味しいのか、美味しくないのか』論争がありました。多分。

初めて食べました。
いや、これは美味しすぎる…………

やましたは断然ローチャー美味しい派です。
みんなシェムリアップおいでませ。

さて、そんなこんなで今日はちょっと真面目なお話を。

今、国際協力サロンというオンライングループのカンボジアフィールドワークというスタツアみたいなものに同行しております。

そこで、以前ドッヂボール大会でおじゃましたGYAというローカルNGOを再び訪れ、お話を聞きました。

そこでのお話して感じたことを書きたいと思います。

また、最近、CBBのカンボジア人スタッフであるプット君から、ここでの日本語教育についての意見を聞きました。

彼の意見は、私にとってズシンとくるものでした。

また、それも含めて書きたいと思います。

カンボジア人からみた言語の大切さ

まずGYAで聞いたお話をします。

GYAの代表はカンボジア人です。
チャンターさんといいます。

彼は、カンボジアの学校に通っていましたが
グレード9(中学3年生)で退学したと言ってました。

その理由は、彼の家にはお金がなかったからです。

カンボジアの学校には、エクストラクラスというものがあります。

通常の授業の後に、同じ先生/同じ教室による有料のクラスがあります。

そこでは、テストに出るポイントの解説や、通常の授業で教えきれなかった部分を延長して教えています。

これに出席できないと、受けている子との差が生まれ、通常の授業にさえついていけなくなります。

もちろん、テストも落第する可能性があります。

チャンターさんは、当時はそれが非常に悲しかったと言っていました。

その後、彼は英語を学ぶ学校に行きましたが、先生からは

『Why you can't speak English』と毎日のように言われたと言います。

その出来事は、彼を非常に傷つけましたが、彼はそれでも英語を学び続けました。

2年間学んだ後は、3年間、ボランティアをしながら学んだそうです。

今、彼は英語をバリバリに話せます。
そして、この村である韓国人の男性と女性に出会い、彼らの支援も受けて、英語を学べるスクールを作ることを決めました。

それがGYAのはじまりだそうです。
GYAでは、英語教育ではなく、コンピューターも学ぶことができます。

毎日100人以上の子供たちが来て、英語を学んでいます。
教えているのは、ここで学んだ高校生です。

彼のNGOが目指すところを聞きました。

『カンボジアは、若いうちから働く子供が多くて退学する人がたくさんいる。その子たちは、工場で働いている。だが、今の時代工場に行っても、英語やコンピューターの技術が必要である。その技術があると、プノンペンの大学に行くこともできるし、もっといい仕事が見つかる。そしたら将来は、都会で働きながら、田舎の両親にお金を送って、リッチになれる。だから、カンボジアは言語を学ぶことは大切なんだ』

と。

彼自身の経験から、カンボジアの子供たちの将来を考えている。

実際、ここのNGOで勉強する生徒たちの語学レベルは高いと感じます。

私がクメール語で話しかけても、逆に英語で返されるレベル。

自身が退学をせざるを得ないことを経験したからこそ、同じカンボジア人だからこそ、カンボジアの現状がよく分かっているんだな、と思いました。

目指す先がはっきりしているからこそ、それまでの過程を着実に進んでいる。

学びたい姿勢だなと感じました。

プット君のお話

さて、これもまたカンボジア人からみた言語の大切さのお話です。

先日、私がプノンペンにスタツアの引率で行っている時に、CBBでプット君によるミーティングが行われました。

私はその時は、スクールにいなかったので分からなかったのですが、どうやら住み込みスタッフとの関わり方や、住み込みスタッフの学力についてのお話だったそうです。

『日本人と住み込みスタッフとの距離感が近く、日本人やプット君へのリスペクトの気持ちがない』

『彼らは勉強に来ているのに、日本人が一緒に遊んでいる風にしか見えない』

『時に危険な遊びをして、怪我人も出ているのに誰も止めない』

そして

『ここに1ヶ月もいるのに、彼らの日本語は全く成長していない』

と。

住み込みスタッフとの関わり方については、私も疑問を抱くことがありました。

家族であり、トレーニングスタッフ。

支援者と、支援対象者という関係。

私は、自身の経験上、後者の方の関わり方をしていました。

利用者との関係
社会福祉士は、利用者との専門的援助関係を最 も大切にし、それを自己の利益のために利用しない。
〜社会福祉士 倫理綱領より引用〜

ですが、時には迷いもあります。
住み込みスタッフと仲良くしている他のインターン生を見ると、羨ましくなったりします。

住み込みスタッフとの関わり方は、これからの課題です。

もし、私たち全員が帰国したら、彼らはどうなるのか、次は誰が彼らを引っ張るのか。

一人一人の彼らとの関わり方が重要になってきます。

それもまた、住み込みスタッフを含め、改めてインターン生とお話ししたいところです。

さて、今日お話ししたいのはプット君から言われた『住み込みスタッフの日本語が成長していない』ということです。

これは授業チームとしても、とても責任を感じる言葉でした。

1ヶ月経ち、彼らはひらがなを覚え、見ずに書けるようになり、読めるようになりました。

そして、早い子ではカタカナも覚えて、今はたくさんの語彙を学んでいます。

そんな彼らとの会話。

意思疎通ができるようになったのは確かですが

それは全て【クメール語】での会話だからです。

その方が伝えるのは楽です。

ですが、せっかく学んだ言葉を活かせていない。

それが、今の住み込みスタッフたちの課題だと思っています。

日本人のインターン生はそれが出来ています。

クメール語を学んで、市場やカフェや、住み込みスタッフとの会話で試すことができる。

ですが、逆はどうでしょうか。

彼らはせっかく学んだ日本語を、試すことができているのでしょうか。

彼らから聞く日本語は『おはよう』『おやすみ』『いってきます』『いってらっしゃい』『ただいま』『おかえり』『いただきます』『ごちそうさまでした』『ありがとう』………

もっとあるのかもしれませんが、あげられる中ではそのくらい。

日本人側が、もっともっと住み込みスタッフ達が学んだことをアウトプットできる環境を作ることも大切だと感じました。

もし、何ヶ月か後に両親に会ったとします。

その時に息子が日本人と日本語で会話をしていると、両親はどう思うのか。

『うちの子はすごい!!!日本人と日本語で話せてる!!!CBBで生活することは本当に良かった!!!他の子にもCBBを紹介したい!!!』

となるかもしれません。

一方で、数ヶ月経っても日本人との会話はクメール語でしたら

『CBBに数ヶ月行っても、全然日本語が話せないじゃない。それなら工場に行って働いた方がよかったわ!もうCBBには預けません!』

と、怖い言葉をいただくかもしれません。

それは、避けたい。

そう、プット君から言われた時に、今までの4ヶ月を振り返って、自分はここで何を教えてたんだ????

と、ハッとしました。

思えば、スクールに通う生徒にも同じことを繰り返し教えてて、一向に前に進んでいない。

次のステップに進めない。

学ぶ一方で、何も変わっていない。

その現状を思い知らされました。

来るのをやめた生徒もいました。

他の日本語学校に行った生徒もいました。

これじゃだめだ!!!!!

インターン生が一丸となって、日本語をどのように教えたらいいのか考える必要があると思いました。

プノンペンの日本語学校に見学に行くのでもいいかもしれません。

ひたすら教材をネットで調べて、もっともっと効果的に学べるように研究するのもいいかもしれません。

ただの思い出。

それだけではいけない。

住み込みスタッフの未来も、生徒達の未来も

全部ひっくるめて考えたら、今のままでは私が帰国しても同じことが繰り返される、と怖くなりました。

私がいるのもあと、3ヶ月になろうとしてます。

もう折り返し地点は過ぎました。

これからは、ゆっくりと下山していかなければなりません。

計画的に山を降りていく。

残りの3ヶ月で、私はこの場所でなにができるのか。

なにをやらなければならないのか。

もっと真剣に考えよう!

と、2人のカンボジア人の意見から感じました。

やっと、私のエンジンがかかりました。

がんばる。

その一心です。


おわり

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