住み込みスタッフを探そう!!
スオスダイ!カンボジアの国際協力NGO CBBでインターンをしています、やましたです!
今週の火曜日
代表のマサさんと、スタッフのスレイリャと、インターン生のさやちゃんと一緒に住み込みスタッフ探しに行きました。
住み込みスタッフを雇う意義とは?
CBBでは、2年前から住み込みスタッフ制度を設けています。
CBBの理念に
①すべての子ども達に教育へのフリーなアクセスを
②国を担う人財の輩出を
の2つがあります。
そのうちの②国を担う人材の輩出を
ということに注目した時
今のCBBスクールが日本人のインターン生と、1人のカンボジア人スタッフで運営されていることにどこか矛盾を感じました。
日本人は、いつかどこかのタイミングで全員帰国してしまいます。
その後は、せっかく長期間かけて作り上げてきたスクールの日常や決まりごとが崩れてしまう可能性があります。
また、生徒もせっかく同じ先生に教えてもらい、まだまだ勉強していきたい、というタイミングで先生が変わるとなると、生徒側もモチベーションが下がり、勉強をやめてしまう可能性もあります。
そんな状況を打破すべく、
また「カンボジア人自身の手による教育支援」を実現していくため、再び、住み込みスタッフを探すことにしました!
住み込みスタッフってどんな人たち?
住み込みスタッフの対象は
中学校・高校を中退した子供たちです。
村では、学校を中退した子どもたちは、働ける年齢になると工場や都市部に出稼ぎに行ってしまいます。
中退すると、将来の職業選択の幅が狭まります。
中退する子の中には、
「学校に行きたいけど、家庭が貧しいからお手伝いをしなければいけない」
という子供達もいます。
そこで、CBBスクールでは、学校を中退した子供たちを対象に、スクールに住み込んでもらって、学校に復学することを目的にした住み込みスタッフ制度をはじめました。
子供達は学校に復学すると同時に、日本人インターン生とCBBスクールに住み、日本語や英語を習って、語学力をつけたあとは、CBBスクールでインターン生と一緒に日本語や英語の授業をしていくという仕組みになります。
そして、インターン生が帰った後も、その住み込みスタッフのみんなでスクールを運営して、授業も住み込みスタッフが続けていく、ということを目標にしています。
このスタッフを探していくために、いくつかのステップを踏まなければなりません。
今週の火曜日、スタッフさがしのため、どのようなステップを踏んだのか、紹介していきます。
ひたすら聞く!!!!
今回、まず向かったのがCBBのあるチュンプレイという地区からバイクで15分くらいの場所にある『スンダイ小中高校』です。
ここでは、毎年奨学金の生徒を募集しており今回は、先生方にお話を聞く予定でしたが、祝日のため、お休みでした。
スンダイの市場をくぐり抜け、次は2年前に住み込みスタッフとしてCBBにいた『リダーくん』という子の実家に向かいました。
CBBからは、だいぶ離れており、舗装されている道路から小道(というか山)に入り、少し行ったところにお家がありました。
リダーくんは今は家におらず、家はおじいちゃんと孫が暮らしていました。
そこのおじいちゃんに、「この辺りで学校を中退した子供はいないですか?」ということを聞きました。
クメール語での会話だったので、ほとんど分かりませんでしたが
そして、何かヒントを得たのか、その山を越えて隣のトゥメイ村というところに行きました。
村に行き、いきなり村の人に話を聞くのは大変です。
そこで、私たち一同は近くの売店に行き、スイカを買って売店の方にお話を聞くことにしました。
売店でしたら、近くの人が必ず立ち寄りますし、近所の情報を何か知っているかもしれません。
売店の方に「学校を退学した人はいませんか?」と聞くと、すぐそこの家にいました。
その子は、男の子で17歳の中学二年生。
辞めて数週間で、まだ家にいました。
学校を中退すると、しばらくの間家にいますが、ある期間を過ぎると出稼ぎに行ってしまいます。
ですので、その短い期間でアプローチをすることがとても大切になります。
今回、運良く出会えたことに、びっくりでした。
話を聞くと、このあたりの子どもは中退をすると女の子はすぐ結婚し、男の子は労働力として出稼ぎにいきます。
若くしてそのような人生を歩んでいくんだな、と日本との違いに驚きました。
今回は、その子やその家族に住み込みスタッフ制度のお話をし、連絡先を交換して終わりました。
今後、彼がどのような結論を出すのか、分かりませんが、もし一緒に住むことになった時は、CBBで一緒に頑張っていきたいと思います。
住み込みスタッフ探しで考えたこと
今回、住み込みスタッフ探しに同行して、感じたことが二つあります。
1.聞き込みが大事!(スタッフのコミュニケーション力が超重要)
今回のスタッフ探しは、カンボジア人のスタッフ、スレイリャが通訳に入ってくれました。
彼女は、2年前に住み込みスタッフと一緒に生活しており、当時の住み込みスタッフ制度について熟知しています。
スレイリャは、はじめましての人にも臆することなくどんどん話していって、聞き込みをしていました。
聞き込み作業は、とにかくいろんな人に聞くことが大事なんだと彼女の姿から今回学びました。
2.関係づくりの大切さ!これってソーシャルワークかも!
白シャツ黒パンツの集団が、バイクにのりぞろぞろくると、村ではちょっと怪しい存在です。
とても目立ちます。
いきなり本題に入るのではなく、まずは関係づくりから。
今回の調査に出かけて、これって社会福祉分野におけるケースワークだな、とふと思いました。
ケースワークとは、クライエントの生活における諸問題(生活困難、問題解決、社会生活に関するニーズの充足)について、様々なアプローチをもって改善を行うことをいいます。
ケースワークの過程は以下の通りです。
a. アウトリーチ(ニーズの発見・掘り起こし) ↓
b. インテーク(受理面接)
↓
c. アセスメント(事前評価)
↓
d. プランニング(個別援助計画の立案・作成) ↓
e. インターベンション(介入)
↓
f. モニタリング(経過観察)
↓
g. エバリュエーション(再アセスメント、事後評価)
↓
h. ターミネーション(終結)
↓
i. フォローアップ、アフターフォロー(終結後の支援)
今回は、aとbの過程を行いました。
このように、自ら現場に赴き、潜在的なニーズを探しにいくことを、アウトリーチといいます。
潜在的なニーズを探すためには、学校やその村の村長など関係している機関に出向くことが大切になります。
今回、自ら貧困地域に出向くことで、村での生活の様子を把握できましたし、学校を中退した子供やその親御さんにもお話を聞くことができました。
bの過程、インテークは、クライエントに行う最初の面接のことをいいます。
インテークは援助過程において必要な相談者との信頼関係を築いていく最初の重要な局面でもあります。
ここで、クライエントの問題状況、主訴、要求を明確に把握、理解して、今後どのような支援をしていくのか考えます。
本当は、この場で、クライエントと支援者の間で、支援への合意を意味する援助契約を行いますが、今回は急な話だったので、また後日。
今後は、ケースワークでしたら、アセスメントという過程に入ります。
アセスメントは、問題状況を把握し理解するソーシャルワークのプロセスの一つで、クライエントの問題状況の確認し、クライエント自身の情報の収集と分析をして、援助の方法を選択し、計画を作っていきます。
今後、この日出会った子が、どのような選択をするのか分かりませんが、支援をする、という面で見た時、私が学んでいることが少しでも役立てばいいな、と思った瞬間でした。
住み込みスタッフ探しは、まだまだ続きます!
インターン生や代表、スタッフとも話し合いを重ねて、万全の体制で受け入れることができるよう、これからも頑張っていきます!
住み込みスタッフ探し、これからも応援をよろしくお願いします🙌🏻
では、ここまで読んでくださってありがとうございました!
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