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最高の有休の過ごし方。

早起きして丁寧に髪を巻いて、化粧をする。
待ち合わせは、カフェの前。
港の近くの駅は、都会の忙しなさが和らいで、のんびりした雰囲気が漂う。
カフェの窓からは、水族館の入り口に向かうカップルや家族づれが次々流れていくのが見える。水族館に行こうとしている人たちは、みんなリラックスしているようにみえた。田舎暮らしで、会社の人としか顔を合わせていない生活だったから、窓の外をゆく人々の表情は新鮮で私を幸せな気持ちにした。

大好きなラズベリーのパフェ


カフェを出て、水族館に入る。
ベルーガの前のベンチに座って、彼とずっとずっと話す。
こんなゆったりした過ごし方も悪くない。
学生時代は、デートの時は一生懸命いろんな場所を駆け巡って楽しまないといけないような気がしていた。でも最近になって、次に向かう場所よりも何よりも、いま目の前にあるものをゆっくり味わいたいという感情になっている。


シャチの公開トレーニングを見る。
ツヤツヤのシャチが舞台にどぉんとその身を乗せた時。
『神様のデザインセンス、エグいな』
彼のひと言は、あっという間に私の心を掴んだ。
生き物の神秘は結局神様が作ったのではないかと、心のどこかで思っている節がある。彼がひと言を放った瞬間に、そういう"心のどこか"がカチンと音を鳴らす。

いつも想像より一回り大きい、シャチ。

お次はウミガメ。
水槽には何種類かのウミガメが混ざって泳いでいて、色とりどりの甲羅が美しい。
『ウミガメって、アーケロンみたいな古生物のときからずっと、海の中で進化したのかな。それとも陸から海に戻ってきたのかな。』
ふと疑問をこぼすと、彼がスマホで論文を検索してくれた。どうやら4回海と陸を行き来しながら進化したらしい。

生き物はなんて美しいんだろう。
好きな人とそれを分かち合えることが幸せ。

美しい甲羅を持つ方々

夜は気取らない居酒屋さんで2人でお酒を飲んだ。友人でも彼でも、好きな人と酔っ払いながら帰る夜道がとても好きだ。

最高の休日だった。こういう日が半年に一回でもあれば、蝋燭のように心に灯して生きていける。

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