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ナイチンゲール『看護覚え書き』を聴く#064

フローレンス・ナイチンゲールが著した『看護覚え書き』のオーディオ・ブックを配信します。HNS(=防府看護専門学校)の学生・生徒だけなく、卒業生や看護師を志す、すべての人に向けた配信です。ご自由にお聴きください。

#064 :看護師を雇うというのは…

病人が出たときに、専門の看護師を個人の家庭に入れると、「患者の世話をなおざりにできない」という口実のもとに、他の召使いを「あごで使い」、鼻持ならないという苦情をよく聞かされる。患者がなおざりにされることも、召使いが不当に付け込まれることもよくあることだ。

しかし、大抵の場合、問題は責任者に管理能力がないことにある。必要なときには、看護師の職務を補完し、患者の世話もおろそかにならないように処理するのは、その責任者であることは確かなのだ。

病人のために看護師を推薦してくれるよう頼む人は、何を要求しているのだろうか。その患者の友人が徹夜しなくても済むように、召使いが階段を駆け回らなくて済むように看護師の派遣を頼むのだ。

つまり、患者がより良い看護を受けられるようにするためではない。
(2023年7月19日配信)

フローレス・ナイチンゲール(Florence Nightingale):1820年-1910年:近代医療統計学および看護統計学の始祖。近代看護教育の母。

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