見出し画像

ナイチンゲール『看護覚え書き』を聴く#138

フローレンス・ナイチンゲールが著した『看護覚え書き』のオーディオ・ブックを配信します。HNS(=防府看護専門学校)の学生・生徒のために作成したオーディオ・ブックですが、HNSの卒業生や看護師を志す人、現役の看護師の方々の他、引退された看護師の方や教育に関心のある方々など、すべての人に向けた配信です。ご自由にお聴きください。

#138 :ベッドは高すぎないこと

天井の高さが9から10フィート(約2.8から3メートル)の高さの部屋で、患者が4.5フィート(約1.2から1.5メートル)の高さのベッドに寝ており、ベッドから起き上がると実際には天井まで2から3フィートしかないのを見ると、私は自問する。

これは壁や天井が迫ってきて、自分が床と天井の間でサンドイッチになるという病人に共通する独特の脅迫観念を持たせることを明らかに意図したものであろうかと。

実際、この想像は上のようなケースでは、真実とそれほどかけ離れているわけではない。その上、さらに、天井まで届く窓がついていないと、窓が開いていたとしても、患者は頭の文字通り新鮮な空気層の上に突出してしまい、汚れた空気を吸うことになる。

神が作られた回復過程をぶち壊すこと、人間にとってこれ以上つむじ曲がりなことがあり得るだろうか。
(2023年11月9日配信)

フローレンス・ナイチンゲール(Florence Nightingale):1820年-1910年・近代医療統計学および看護統計学の始祖。近代看護教育の母。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?