ナイチンゲール『看護覚え書き』を聴く

フローレンス・ナイチンゲールが著した『看護覚え書き』のオーディオ・ブックを配信します。HNS(=防府看護専門学校)の学生・生徒だけなく、卒業生や看護師を志すすべての人に向けた配信です。ご自由にお聴きください。

#023 :冷気が換気になるわけではなく、また新鮮な空気だと体が冷えるわけでもない    

教養のある人でも、冷気と換気とを混同していることが、次のような例に示されている。

部屋を涼しくしておいても、必ずしも換気したことにはならない。また、換気するために部屋を冷やすことも全く不要である。しかし、看護師は部屋の空気が、よどんでいることに気がつくと、換気を良くするために、火を消して、よけいに空気をよどませたり、火がなく、窓も開いていない、冷たい部屋へと通じるドアを開け放ち、換気を良くしようとする。

患者にとって、最も安全な空気とは、温度が極端に高すぎたり、低すぎたりしないように、ほどよく火を起こし、窓を開けることである。(しかし、看護師はこれを理解できるようには教育されていない)。換気口のない小さな部屋を換気するのは、当然ながら大きな部屋を換気する場合よりも注意力が必要である。

病院にいる病人の場合はもちろんだが、在宅の病人の場合、じっとしていて顔に風が静かに感じられなければ、看護師は部屋の空気が新鮮だと満足すべきではない。

Florence Nightingale:フローレス ナイチンゲール:1820年-1910年:近代医療統計学および看護統計学の始祖。近代看護教育の母。


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