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ナイチンゲール『看護覚え書き』を聴く#133

フローレンス・ナイチンゲールが著した『看護覚え書き』のオーディオ・ブックを配信します。HNS(=防府看護専門学校)の学生・生徒のために作成したオーディオ・ブックですが、HNSの卒業生や看護師を志す人、現役の看護師の方々の他、引退された看護師の方や教育に関心のある方々など、すべての人に向けた配信です。ご自由にお聴きください。

#133 :普通の寝具の不潔さ

やってはいけないことを示す例を探すとしたら、家庭の普通のベッドを見本としてあげるだろう。木枠のベッドにマットレスが2枚、ときには3枚も、テーブルの高さよりも高くつみ重ねられ、枠には垂れ布がついている。

奇跡でも起きない限り、このようなベッドや寝具を乾かし、風に当てるのは無理だろう。必然的に患者はベッドメイキング後は冷たい湿り気、その前には、なま暖かい湿り気のどちらかで寝なければならない。

どちらの湿り気も、汗などの有機物が満ち満ちている。この状態は、マットレスが敷かれた時から、バラバラにされるまで続くのである。

同じ理由により、患者の体を清拭した後に、また前の寝巻を着させなければならない場合は、火のそばで必ず寝間着を温めておく。患者が着ていたガウンは、多少湿っているに違いない。数分脱いでいれば、冷たくなってしまう。火に当てると、乾くと同時に空気にさらすことになる。これは衣類を清潔することにとって、非常に重要である。
(2023年11月1日配信)

フローレンス・ナイチンゲール(Florence Nightingale):1820年-1910年・近代医療統計学および看護統計学の始祖。近代看護教育の母。


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