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ナイチンゲール『看護覚え書き』を聴く#121

フローレンス・ナイチンゲールが著した『看護覚え書き』のオーディオ・ブックを配信します。HNS(=防府看護専門学校)の学生・生徒のために作成したオーディオ・ブックですが、HNSの卒業生や看護師を志す人、現役の看護師の方々の他、引退された看護師の方や教育に関心のある方々など、すべての人に向けた配信です。ご自由にお聴きください。

#121 :ミルク、バター、クリームなど

ミルクや乳製品は、病人には非常に重要な食品である。バターは、動物性脂肪の中では最も軽く、ミルクに含まれる糖分やその他いくつかの成分は無いものの、バター自体もまたパンに塗ると、患者の食欲をそそるということからも貴重である。

小麦、カラス麦、大麦などを加工したものは、いずれも前に言ったように葛湯、サゴ、タピオカ等の加工品より好ましい。

慢性の病気には、クリームが何よりである。ビーフと同じ作用があるようで、ほとんどの患者の場合ミルクよりもはるかに消化が良い。クリームを食べられない人は、実際稀である。

チーズは、病人には必ずしも消化が良いとは言えないが、体力を回復させるには実に栄養がある。かなりの数の病人がチーズを食べたがるのを見ていたことからも、いかにチーズが必要であるかがわかった。
(2023年10月16日配信)

フローレンス・ナイチンゲール(Florence Nightingale):1820年-1910年・近代医療統計学および看護統計学の始祖。近代看護教育の母。


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