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ナイチンゲール『看護覚え書き』を聴く#026

#026 :外気を入れること、窓を開け、ドアを閉めること

そこで、できればいつも外気で換気をしよう。窓は開けるためのもの、ドアは閉めるためのものだ。この単純な事実を理解するのが非常に難しいようである。注意深い看護師がドアを開けて、病室を換気しているのを見たことがあるが、そのドアの近くにはガス灯と台所、廊下などがあり、そこの空気は、ガスや塗料、汚い空気などが混ざり合い、換気されることもなく、臭気に満ちていた。

その臭気とは、置き場所の悪い下水だめから流れる下水の空気が混じっており、これが絶え間なく通風用の縦穴を登って、患者の部屋へ流れ込んでいる。もしその部屋の窓が開いていれば、それだけで充分、換気ができたのである。どの部屋も外気で換気しなければならず、どの通路も外から換気しなければならない。しかし病院の通路は少ないに越した事は無い。

(2023年5月25日配信)

フローレス・ナイチンゲール(Florence Nightingale):1820年-1910年:近代医療統計学および看護統計学の始祖。近代看護教育の母。


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