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聞こえていないふり

僕はある時、特攻隊員が特攻前に家族に宛てた手紙を読んだことがある。

そこには「お父さん。お母さん。ありがとう。」と書いてあった。

このような手紙を読んだことのある人は少なくないだろう。

この手紙を読む事で何を受け取った?
戦争の悲惨さ?
特攻隊がいた事?

ここで得るべきは、その手紙を書いた特攻隊員達の「痛み」だ。その手紙は「痛み」を我々に伝えるために残されている。何も、あなたがそれを読んだという話をするために、知識を得た気になるために残されているのでは無い。


原爆ドームはなぜそこにある?
あなたが広島に行ったという会話のネタのためではない。テストのための知識でもない。
共感するべき「痛み」なんだ。

何も過去の話だけでは無い。
今現在も「痛み」を感じている人はたくさんいる。
オリンピックを誘致したせいで復興が遅れている福島も、コロナ禍で窮地に追い込まれている飲食業や観光業なども、バイトを辞めることになり学費を払えない大学生も、内戦で家がなくなった人も。
みんな「痛み」の声をあげている人だ。

でも、政府も、僕を含めた国民も、聞こえているのに聞こえていないふりをする。声無き声では無いのだ。自分たちの中でしょうがないと決めつけてしまっているんだ。

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