充電中の子を持つ体験談 祥子さん③
・充電期間に入った経緯
充電期間に入ったきっかけは「よくある些細なことだったと思う」と祥子さんは話してくれた。
「友だちって言ってもそれほど多くはないんですが、その子たちとのコミュニケーションがうまくいかなかったことや女子生徒が怖い、学校に行かないことに慣れてしまって行くタイミングを失ったみたいな感じだと思います」
病院に連れていくことは無かったという。
昼夜逆転の生活も長く続いてたようだが、「朝起きて夜寝るというのも現代人のエゴで、大人の価値観でしかない。夜働く人もいるし、それぞれ役割があるわけだから。朝苦手なんじゃなくて夜得意な子ってだけですよね」
「学校に行かないといけないというのも結局は親のエゴでしかないわけで。世間体だったり心配や不安だったり。自分の人生に対する選択をしているのはこの子なのであってこの子自身の課題。私の課題は別のところにあると思うので」
現在は「高校生になった息子を一人の大人として認識した上で接するようにしています」と教えてくれた。
どんな一日を過ごしているかも詳しく分からないが、「筋トレに励んでるんじゃないかな」
とのことだった。
・N高等学校へ
N高等学校を薦めた理由も「一般常識という枠に囚われない生き方をしてほしいと思ったから」だという。
現在は週3回の通学コースに在籍しているとのこと。これも3か月に一回見直すことができるとのことで、体調や精神面に合わせて柔軟に変更できるようだ。
コロナの影響で登校できない日々が続いてるが、現在は「zoom」や学校のシステムを通じて授業や個別学習、自主学習を進めているとのことだった。多い時には100人ぐらい同時にオンライン授業を受けることもあるという。
充電中の子を持つ母としては「学校に行けないダメな子ではなく、とても素敵な個性を持った素晴らしい子を神様から預かっていると思っている。お母さんは女神だからね。」
・最後に
充電中の子を持つお母さんのことを「車」に例えての話が進んだ。
「ガソリンを入れることなく、頑張ろうとするお母さんがとにかく多い。そうではなくてまずは元気に走れるようにガソリンを入れることから始めた方がいい」
僕は「アクセルとブレーキを同時に全力で踏んでしまっている人が多いように感じる。『頑張ってるんですけどね~』っていうお母さんの足元を見るとおもいっきりブレーキ踏んでたりする。『ブレーキから足離してみましょうか?』って言うとブワ~ンって一気に進む人もいますよ」
これに加えて言うならやはりガソリンを給油し続けるのではなくて、自家発電できる人が一番強いと思う。元気もやる気も自分の中から湧き出てくる温泉みたいな人を増やしていけたら最高だ。
取材をしていてハッとすることが何度もある。自分もそうだったなとか他のお母さんたちも同じことを言っていたなとか。人の数だけ充電中のパターンもあってそれぞれ環境も状況も違う。
その中で、参考になるものや試したくなるものも部分的にでもあるはずなので、これからも取材を続けて書いていきたい。
その②はこちら
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