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充電したあの日

元々65キロあった握力は10キロ台になり、

お箸を使ってご飯を食べることすらままならない

左肘は限界に達していた

幸い、鉛筆を持つのは右に矯正されていたから

勉強するのに支障はなかった

身体も心もボロボロの自分に

「明日から学校に来なくていい」

という最終通告

スポーツ推薦入学した生徒が書く誓約書という

存在が僕に追い打ちをかけた

批判の言葉は家族にまで飛び火し、

次の日からベッドから起きたくても起きれなくな

った

生きてるだけで迷惑

そんな気持ちでいっぱいになり、人生を終わらせ

る方法ばかり考えていた

だけど、行動に移せない自分への歯痒さと臆病さ

に虫唾が走った

現実から逃げたくて、家族の活動時間は無理矢理

寝て、夜中に起きてゲームで紛らせる

自分を認めてくれていた人がどんどん自分のもと

を離れていった

そのとき感じた寂しさは相当自分を苦しめた

それ以来、僕は傷付くことを極度に恐れ、

これ以上は踏み込まない、踏み込ませない線を

心に引いた

その線までならたとえ傷付けられても

離れていかれても心の平静を保てるお守り線

本音を話しているつもりでも、怒られるとか

嫌われるって思うと途端に言葉が詰まり、

耳触りのいい言葉が口を付く

生徒にも本気でぶつかって怒ったりしたいけど

嫌われるかもとか陰で色々言われるかもって不安

が頭をよぎり、心の奥にしまってしまう

校長として、人生の主人公として

自分の想いを真っ直ぐ伝えられることが課題

この話をすると静かに心がブルブルと震え出す

18年経ってもまだ癒されていない部分

それは今まで蓋を強く閉めてきたから

でも、今はたくさんの話を聞いてくれる人に

恵まれ、たくさん話ができる機会にも恵まれ、

蓋が緩くなり始めてきた

まずは自分を癒すこと

そこから日本人に日本語を使って、

充電上手な国民になってもらうこと

日本語を使って、日本に生まれ日本で育ち、

日本人であることに誇りを持てるように。

そこに向かって全力で突き進んでいく。

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