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氣づきの国語辞典「鞠」編

「頭から尾までを剥いだ獣の皮」の象形(「革」

の意味)と「人が手を伸ばして抱え込んでる象形

と横線が穀物の穂、六点がその実の部分を示す象

形」(「米を包む・両手で掬う」の意味)から、両

手で掬う程の丸い形の革で作られた「まり」

を意味する「鞠」という漢字ができた。

蹴鞠の起源は『日本書紀』巻二十四、皇極天皇三

年(644)正月条には、「打毱の侶に預りて、皮

鞋の毱の隨に脱け落つる」とある。

この条は、現在の奈良県の飛鳥、法興寺(現在の

飛鳥寺)の槻の木の下で、中大兄皇子が鞠を打っ

た際に、皇子の皮鞋が鞠とともに脱げ落ちたのを

打毱の仲間に加わっていた中臣鎌足が拾ったこと

をきっかけに二人が親しくなるというエピソード

として有名。この時の「打毱」は、杖で鞠を打つ

という現在のホッケー風の競技であったという説

と皇子の靴が鞠とともに脱げたという記述から、

後世の蹴鞠を指しているという二説があるが、

後者の説を採用して蹴鞠の起源と考えられてい

る。なお、この「打毱」が縁で親しくなった中大

兄皇子と中臣鎌足がその後、大化の改新の大業を

なしたことはいうまでもない。

蹴鞠は、かつては正月四日に恒例行事として

「鞠始」が行われ、難波・飛鳥井両家がこれを務

めていたが、主に京都にいた皇族や公家を中心と

して親しまれていた遊戯であったことから、現代

でも京都を中心に各地の神社などで奉納行事とし

て催されている。

例えば、京都では下鴨神社で毎年1月4日に「蹴鞠

はじめ」が行われている。

水干に袴、烏帽子を被った鞠人が、皮製の沓(く

つ)で巧みな足さばきで鞠を蹴り上げていく。

この「蹴鞠はじめ」は、古来の伝統的な民俗芸能

が廃れてしまうことが危惧されたこともあり、明

治天皇によって蹴鞠を保存するようにとの勅命が

あり、明治36年に御下賜金をもとに蹴鞠保存会

が創立され、正月の神事の一つとして現在に至っ

ている。

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