流しの国語辞典「椅子」編
「倚」の漢字は「よりかかる」という意味が
あり、「子」は「帽子」や「冊子」などと
同じく、物の名に添えられる接尾語。
禅宗が伝来した後、「倚子」は「椅子」と表記
されるようになり、「子」を唐音読みして
「いす」と呼ばれるようになった。
「椅」は「いいぎり」というヤナギ科の落葉高木
の名前。4~5月ごろ、黄緑色の花を付ける。
秋から冬に多数の赤い果実をつけ、加工して食べ
ることもある。琵琶などの楽器や器物を作るのに
用いられる。
禅宗の僧が説教をする時などに使用していたもの
がモデルとなり、「四角で四脚、左右に寄りかか
るところがあり、木製のものに限る」という
決まりが存在した。
椅子とペアになるのが「机」
日本書紀にも「つくえ」という表記があるほど、
歴史がある。
当初は衣類や食事を乗せる台のことを指したよう
で、平たい台を四つの枝で支えるというその
つくりから、「突き枝」と呼ばれ、それが
「つきえ」となり、「つくえ」となったよう。
「座る」と「腰掛ける」の違いは
座るが椅子に座るに加えて正座や胡座で直接地面
に座ることも指すのに対して、腰掛けるは椅子や
台に足を下に降ろして座ることを指す。
「坐」が土の上に人が座る様子を指し、
「座」は家の中で人が座る様子を指していたこと
から、元々は「坐」を動詞として、「座」は名詞
として用いられたが常用漢字は「座」で統一され
た。
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