流しの国語辞典「烏賊」編
江戸後期の国語辞典「和訓栞(わくんのしお
り)」によれば、形が「厳めしい」ことに
由来するといわれている。
古語に「厳し」という形容詞が存在したことから
「いかし」が転じたのではないかとされる。
他にも「い」が白、「か」が堅いを意味すると
いう説、怒ったような形をしているので「怒り」
が転じたという説もある。
烏賊という漢字は水面に浮かんで死んでいる
ように見えるため、カラスがついばもうとすると
足を巻き付け、捕らえるという中国の言い伝え
からカラスにとって恐ろしい賊のようだとして
烏賊となったようだ。
ただ、本来の烏賊はそんなことはしないので、
カラスのような黒い墨を吐いて逃げる習性に
由来すると言われる。
平安時代にイカやタコのことを「墨を吐く群れ」
と呼んだことから「スルメ」と呼ぶようになった
とされ、日持ちが良いため、幸せが続くという
意味とお金をお足と言った風習から足の多い
イカは縁起の良いものとされてきた。
事実、結納や祝儀としても広く活用されてきた。
「寿留女」は長寿、嫁ぎ先に留まる、良妻の
意味。
スルメのスルはお金を「する」といった
ネガティブな印象があることから「当たり」に
変えたことが「あたりめ」のはじまりで
同じものを指す。
言霊を大切にする日本人らしい発想。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?