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ふくじゅ草 東京

1979年にメジャーレーベル・CBSソニーからリリースされた、叙情派フォークグループ「ふくじゅ草」唯一のLPについて書きたいと思います。
  実はこのグループについては寡聞にして存ぜず、ジャケットに何の情報も無かったため早速ググってみたのですが、「兄妹のデュオらしい」という以上に、具体的な情報が見つかりませんでした。
で、ジャケットを見ると… 失礼ながら何とも素人臭いお二人の写真… 歌の方も、ボーカルの女性の声に響きが乏しく、やや辛いものでした。
1979年といえば、音楽状況がそれまでのメロディ・ハーモニー重視から、サウンド志向へと移りつつあった時代。そんな時、なぜメジャーレーベルが、このようなズレていると言われても仕方のないアルバムを出したのでしょうか?
 でも、シングルカットされた「東京」の歌詞の内容に、強い共感を抱く人は多いのでは、と思います。
「夢を抱いた都会の暮らしに負け、寒さの中、一人始発の列車を待つ…」
実はこのようなテーマの曲は、昔から数多くありました。古くは眞木不二夫(ご存知ですか?)の「涙の夜汽車」などなど… 都会に憧れ、挫折し、一人故郷への切符を買う… まさに現代でも共通するテーマであります。それゆえ何故かしら、心の奥底に残ってしまうのでは?  こんな曲をプロが上手に歌っても、きっと嘘っぽいものになってしまう事でしょう。しかし、このアルバムの歌声だと、妙に真実味が感じられるのです。グーグルにも「あの歌詞の歌、何という曲ですか?誰か教えて」という書き込みを発見し、またこの曲についてブログで詳しく書いてる方がいたりして、何か我が事のやうに嬉しくなりました!
 なおこのアルバムには五輪真弓の「ジャングルジム」や、な、何とユーミンの「卒業写真」などの名曲も収録されています。これも聴きもの!?

ふくじゅ草・ファースト「東京」LPレコード
  CBSソニー  25AH 770 (1979) 


(side1)
東京
人待ちステイション
Uターンヘビースモーキング
ジャングルジム
渡る冬 

(side2)
愛ある明日へ
少年
卒業写真
朝陽の街
心に灯りがともるまで

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