見出し画像

イニストラード:真夜中の狩り ドラフト雑感

はじめに

環境速度は最速の赤黒吸血鬼から長期戦の緑系ドレッジまで肯定され、とにかく自分のデッキの勝ち筋を強化していくことが重要。中途半端なグッドスタッフでは勝ちきれない。基本的なアーキタイプとゲームプランは以下のとおり。

青白降霊

青白降霊は降霊能力を持った生物により粘り強く戦うアーキタイプ。対戦相手の生物と相打ちしていれば、降霊分で自然と有利になっていくので消耗戦を狙う。

タイトルなし2

降霊面は飛行を持っていることも重要で、地上をさばいて飛行で勝つを自然に体現するアーキタイプである。

弱点は色特有の除去の薄さと降霊のマナ効率。2大負けパターンは「システム生物止まらない」「降霊面のマナ効率の弱さをサイズ/テンポ差で押し切られる」だと思っている。

タイトルなし5

システムクリーチャーへの根本的な対処が難しい

タイトルなし9

トップコモン級だが裏面は3マナ相当でしかなく小さい

それを防ぐために重要なのが《蝋燭罠》と《月皇の古参兵》。《蝋燭罠》は万人の評価が高いカードだが確定除去として使えるのは青白では特に重要。《月皇の古参兵》は通常ではアンプレ気味のスペックなのだが、ライフに余裕を持たせることで得意な長期戦へ持ち込み、軽いパワー1により集会を達成し《蝋燭罠》を確定除去として使える確率をあげ、細かいところでは2アクションを担保し必要に応じて昼に戻す。早めに確保する必要はないが、流れてきたら確保しておいて2枚は普通に入れてよい良カード。

タイトルなし11

逆に当初想定よりも評価が落ちたのは《哀悼の巡回兵》。攻めるにも守るにも中途半端で赤黒や緑に押し切られる原因になる。

タイトルなし132

ただし、この辺の評価は人によって異なる。私やrizer配信では《月皇の古参兵》をそこそこ高く評価しているが、Aさん配信では弱めの評価となっている。

青黒ゾンビ

青黒は腐乱ゾンビを利用した3体タップ能力を活用しつつ、最後は腐乱ゾンビでのダメージも合わせて押し切るアーキタイプ。

画像12

飛行・アンブロ・腐乱ゾンビ2点バーンなどをうまく組み合わせて20点削りきることがメインのゲームプランとなるので、ゴールから逆算するゲーム進行能力が求められる。

タイトルなし67

あらゆる角度から飛んでくる2点バーン

特に腐乱ゾンビを殴るかどうかの判断が勝敗を分ける。ブロッカーが出てこないうちに2点火力として使うか、タップや生贄ギミックの受けとして残すかの判断が重要。ただ迷ったら残そう。

赤黒吸血鬼

赤黒吸血鬼は環境最速のアーキタイプ。キーワードは「対戦相手がライフを失っていた場合」のボーナスなのだが、正直コモンで強い能力はいないので単純明快に攻めていき押し切る。

タイトルなし78

高レアリティの能力は別格だが・・・

重要なのは以下の2枚。これらのコモン生物は他のアーキタイプでは弱めなのでドラフトの中盤から終盤で安く拾えることが多いが、赤黒吸血鬼では3枚取れれば3枚入れたい生物。

タイトルなし

《ヴォルダーレンの刺剣士》の起動型能力は複数回使えるのも重要で終盤までプレッシャーを与えてくれる。《吸血鬼の侵入者》は地上生物を無視できるので安定したダメージが見込めるほか青白降霊の表面の相手をまともにしなくてよいことが大きい。

3ターン目の行動としても上記2種類の合わせ展開は申し分ないのでアグロらしく3マナ生物よりも優先的にピックする。3マナの生物をピックする際には威迫を用意することで青白降霊のブロックを楽にさせない。昼夜の能力を持ち対戦相手に自分のターンに動く圧をかける点も地味ながら良い。

タイトルなし56

また赤黒はトップコモンの除去2種類が使えることも大きい。

タイトルなし1

軽い生物を展開しすれ違いのダメージレースをしつつ《月の憤怒獣の切りつけ》の本体3点で差し切る or 相手の重たい生物を《窓からの放り投げ》したテンポ差で差し切るのがゲームプランとなる。

ブロックに向かない生物を主力に据えていることから分かるとおり、特に後手時にはシビアなダメージレースをすることになるので、コンバットの技術と速度計算が非常に重要になる。

除去があまり取れなかったときには《焼印刃》はおすすめ。先制攻撃やパワー2威迫と組み合わせるのは基本テクニック。

画像5

マナフラッド対策だが、高レアでX火力が取れれば理想。

タイトルなし134

終盤はおろか序盤ですら強い、X=0でよく除去する

コモンでは《ヴォルダーレンの刺剣士》に加えて《ラムホルトの侵略者》も優秀。中盤で余ったマナで展開し起動型能力をちらつかせ相手のアタックを鈍らせるか、6マナで1体ブロック不可で奇襲する使い方が強い。2ターン目に展開するのも強くはないが悪くもない。

画像4

なお《ファルケンラスの打ち抜く者》は赤黒吸血鬼ですら弱め。コモンの2マナ生物は2/1飛行が最優先、狼が次点で数が足りない場合のみコレ。

画像3

土地の枚数はデッキの完成度が高いときは17枚、完成度が低くマナフラッドが許容できないor2マナ以下の枚数が多いときは16枚。

白黒サクリファイス

白黒サクリファイスに明確な勝ち筋はない。強いて言えば青白降霊に近く、じわじわと優位と拡大し、押し切るミッドレンジがゲームプランとなる。黒の除去が使える分、青白降霊よりも使いやすいかもしれない。

タイトルなし231

黒はコモンが優秀

生贄の対象は第1に腐乱ゾンビトークンだが、青が絡まないと意外と腐乱ゾンビは出ない。そこで続いての対象は白の降霊クリーチャーとなる。特に《愛される物乞い》については序盤は壁役として活躍したあと、終盤では墓地に落ちてほしい。その点で能動的に墓地に落とせる黒との相性は抜群。逆に黒以外と組み合わせると思いのほか弱いという経験をした人も多いと思う。

画像25

コモンだけでも《有頂天の呼び覚ます者》と白の降霊、そして除去で十分勝ち筋は作れるが、可能であれば高レアリティから入りたい。《肉削ぎ屋》は地味ながら優秀であり、中盤以降は簡単にマストブロックになる。

画像26

また中盤以降のアドバンテージとして《地下室からの這い上がり》は強い。特に初動は1マナと軽いのがよくどこかで気軽に使えるのがよい。書いていなかったけれど青黒ゾンビでも入れます。

画像27

なお同じアドバンテージでも《血の契約》はアンプレ寄りの印象。3マナも2点ルーズも厳しい。先手ですら正直打つ暇がない。

画像28

(余談)赤黒ミッドレンジ・・・?

サクリファイスギミックと言えば、パクったものを生贄にする、俗にいうパクリファイスがテクニックとして挙げられる。今回もパクリスペルは収録されており、よく流れてはいるものの、正直あまり強く使える気がしない。

画像29

フォーゴトンレルム探訪で隠れテクニックとして成立していたのはサクリ台たる《墓所のグール》が普通のデッキでは弱めで数を集めやすかった+マナが不要で打点もあったことが大きい。

画像30

《有頂天の呼び覚ます者》との組み合わせは合計6マナと重く、ロングゲームを見るならば素直に白黒を使用したい。《踊り食い》との組み合わせは都合4マナだが所詮は2:2交換で打点が出るわけではない。しかも、この2枚は普通に使って強いカードであり青黒や白黒でも使われ枚数を担保できない。

ということで赤黒を使うならば早めに殴る方が強い印象がある。除去は優秀だし5マナには最強格のパワーカードがいるので赤黒ミッドレンジも別に勝てなくはないのだが・・・

画像31

赤青スペル

例によって例のごとく呪文により戦うアーキタイプ。序盤は青の降霊で耐え、中盤を赤の火力で凌ぎ、終盤で降霊で差し切るのがゲームプランその1。《嵐の捕縛》が流れてきたら分かりやすいフィニッシャーとなる。

画像15

唱えたあとにもトークンサイズは変化しトランプル付なので注意

なお《異世界の凝視》は最初アンプレかと思っていたが、rizer配信でうまく使用しているのを見て評価を改めた。

画像16

自分でも使ったが1枚は絶対入れる。単純な軽いドロー操作は事故を回避できるうえ、フラッシュバックや降霊を落とせばアドバンテージを失うこともない。《嵐の捕縛》をフィニッシャーとしている場合は5ターン目にかなりのサイズで出ることも。前述の青白降霊や後述の緑系ドレッジでも採用を検討してよい。

ゲームプランその2は早めに相手を殴りきるタイプの青赤。キーカードは《祭り壊し》で複数並ぶと3点火力やバウンス打たれるだけで一瞬でライフが消し飛ぶ。

タイトルなし578

特筆すべきは《前哨地の放棄》との相性のよさ。《前哨地の放棄》自体はアグロ系デッキの最後の一押しとして1枚入れていいカードだが、《祭り壊し》が2体並んでいる状態で6マナあると4体にブロック不可をつけたうえで10点パンチというお手軽フィニッシュブローになる。

緑系ドレッジ

緑という色自体は悪くない。《影野獣の目撃》のスペックは見るからに高い。

画像17

ただ赤緑は弱く、白緑も正直微妙で少なくともコモンだけで勝ちきるゲームプランは作れる気がしない。せめてコモンに全体強化スペルがあれば白緑のやる気も出るのだが・・・

タイトルなし345

上のレアリティは結構やるのでパック次第では普通に勝てる

緑をやるならドレッジ気味に組んで、3色目をタッチする構造が有力。コモンでは以下の2種類がある。《窓を叩く》は最初アンプレ気味かと思っていた。結構スカるしテンポもそんなに良くないことが理由。ただしフラッシュバックが落ちてもアドは取れるし、《風変わりな農夫》の前に唱えておけば土地をスカる確率も減る。《風変わりな農夫》は2/3ボディに土地を拾うので結構やる。

タイトルなし98

またマナサポートも最低限はあるので3色目の採用もやりやすい。ただしタッチカラーの基本土地は2枚入れよう。1枚だと墓地に落ちるとサーチできず農夫で拾うしかなくなる。

タイトルなし456

そしてデッキを掘っていくということはレアにたどり着きやすいということ。タッチによりボムレアを採用しやすく、切削により見つけやすいといたれりつくせり。《地下室からの這い上がり》のフラッシュバックは本当に優秀。

タイトルなし678

掘り当てたレアを回収だ

なお普通にライブラリーアウトが見えるデッキなので、ピックによっては山札を40枚よりも増やすことも選択肢となる。

おわりに

他に何かあったら追記します。