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ファイレクシア:完全なる統一 ドラフト雑感

環境定義

かなりの高速環境。
・白黒毒性アグロがかなり速い
・1度毒をもらうと増殖で増えやすい
・3つ毒をもらうとボーナスがある(堕落)
ということで序盤の甘えが一切許されない。2マナ域(出来れば先手でも使える能動的なアクション)は最低7枚欲しい。また、環境の性質上、先攻が非常に強い。MTGアリーナのプレミアドラフトでは後手時にどう勝つかも重要な課題となる

17landsのPlay / Draw Advantage

これは17landsから拝借した表だが、この環境のプレミアドラフトは歴代最高の53%超えの先攻勝率となっており、平均決着ターンも従来のセットよりも1ターン早い。ここを意識すると、正直6マナ以上のカードはデッキに入れたくない。

レアの強さ

兄弟戦争とは違い、本セットのレアは大したことないカードが多い。また環境が早いのでレアだけでは間に合わないことが多い。

例えば《沈黙を破る者、スラーン》は非常に強力なカードで、攻める場合には5/5破壊不能トランプル呪禁なのだが、守る場合には5/5呪禁でしかない。ブロッカーとしては所詮1体分で、接死やコンバットトリックや1点オールアンブロでも超えられる。実際、5回出されたが3回は勝てた。レアを引く運よりも、ドラフトの基本に忠実に協調してデッキ全体の仕上がり(特に低マナ域の充実)をあげることが勝率に大きく貢献する。

色の強さ

白が強く、青が弱い。白は序盤の攻めるカードが強すぎる。逆に青は受けるカードに乏しすぎる。青もアンコモンは強力なカードが多いので卓2人ならやりたいが、3人以上ではやりたくない。ただ、単色の評価というよりアーキタイプでの評価が重要。

アーキタイプ

まず前提として純粋2色環境。マナサポート自体は一定あるので3色以上も組めるのだが、序盤でマナサポートに行動を費やす、もしくは色事故すると負けるので事実上不可能となっている。
そして、かなりのアーキタイプ環境。例えば白黒では毒性で固めたいし、赤緑では油で固めたい。アーキタイプの強弱の印象は以下のとおり。
Tier1:白黒毒性、赤緑油、白赤装備
Tier2:白緑毒性、白青アーティファクト、青黒毒コントロール、青赤油コントロール
Tier3:黒緑(毒性orミッドレンジ)
Tier4:赤黒サクリファイス、青緑増殖コントロール

出来ればTier1をやりたく、割とコモンだけでも7勝できる。Tier2は流れが良いと思ったときにやるもので4手目以降のマルチカラーなどから入りたい。Tier3以降は空いていてもやりたくないもの。黒緑は何故か勝てず、赤黒と青緑は個人的には勝ち筋が全く分からない。

白黒毒性

1-3マナの毒性クリーチャーで攻めて毒で勝つデッキ。環境の最速であり甘えたデッキを全て駆逐する。

このあたりのコモンをかき集めて作る。特に上段の白の1,2,3の動きは黄金ムーブで先攻でやられると概ね3毒入り堕落達成されてしまう。なお黒の2マナの比較は難しいが《腐り腹のネズミ》優先でよいと思う。理由は
①後攻のときに相打ちしやすい
②死亡時誘発が強い(特に9毒のときはブロックしてもしなくても詰んだりする)
③この環境はタフネス1をいじめるカードが一定数ある
の3点。もちろん後半でも攻撃を通しやすかったりするなど1/1飛行のメリットもある。両方無限にデッキに入れたいので贅沢な悩みではある。

また軽い毒性クリーチャーの水準も高いのに、4マナ域の毒性や堕落後の補佐クリーチャーも結構強い。

また除去の水準も高く、コンバットトリックも厄介なので、割と回られるとどうしようもない。

ダニの突撃は除去にも展開にも使える非常に強いカード。ここまでに書いたカードから23枚取るだけでも普通にデッキになるというか理想に近い。方針はとにかく軽く組むこと。完成した白黒は5マナ以上のカードは入らない。《生体解剖の福音者》は強いが2マナ生物がいればそちらを取る。

赤緑油

油を使うミッドレンジ。

このあたりのコモンをかき集めて作る。普通にマナクリ→ルーター→カマキリという動きが強力であるほか、白黒毒性に自然に耐性があるのがよい。というのも、1/1は1/2で止まり、2/2先制攻撃は1/3で止まるので同マナ域のクリーチャーで自然に対応できるほか、

除去についても軽い《呪い金の斬撃》があるのでコンバットトリックを牽制しつつタフネス2以上を処理しておき、《危険な爆風》《燃えがら斬りの荒廃者》でタフネス1を一掃できる(白黒毒性はタフネス1が非常に多い)。なお、この環境はタフネス1が一定いるので、《危険な爆風》はフィニッシュブローの他、除去としても有用で2枚は入れていいし、多少早めにピックしたい。また、このアーキタイプの優れた点として油が競合しづらいことが挙げられる。白緑や黒緑は毒性が重要なので、油のカードは残りやすい。

なお、この2枚は油とは関係ないが、普通にトップコモンなので早めに確保してください(特にヴォラック、赤緑は5マナまで伸ばしたいので。終盤はあえて土地加えないことで増殖できることも忘れないように)。

白赤装備

装備品を使うアグロ。

このあたりのコモンをかき集めて作る。左下に何かいるが、2/2/2先制攻撃で特に装備品でパワーを強化できるので毒関係なく優秀すぎる最強2マナ域なので仕方ない。2マナが重要なのは先述のとおりなので、《逆棘の叩拳》以外の装備品と比較した場合でも《新年堅い決闘者》を取っていい。《逆棘の叩拳》があるなら、そっち優先でいいと思う。
装備品はミラディンのために!も考慮した生物として及第点なかわりに装備品としてはイマイチだが、中盤以降は余ったマナを使うことで有利に戦闘を進めることが出来る。なお装備品の優先順位は
《逆棘の叩拳》>>《ヴァルショクの割り斧》>《ミラディンのバルディッシュ》>>>《黄金守護の兜》
2マナ域も兼ねる叩拳が最優先で、斧とバルディッシュは同格だが強いて言えば軽い方優先。警戒とタフネス1あがるのも偉いので甲乙つけがたい。一方《黄金守護の兜》は2/3も装備効果も大して嬉しくないので他に取るものないときに保険で取る程度。3/2護法2の方が強い。

コモンだけでも一定戦えるがアンコモンの装備品があると急にデッキとして強くなり名実ともにTier1となる(特に二段攻撃の方)。

白緑毒性

毒性クリーチャーで攻めて毒で勝つデッキ。白黒の方が低マナ域は優れるので、白黒ではなく白緑で組む場合には「黒の流れよりも緑の流れの方がよい
」場合、具体的には

このあたりが上から流れてきたら、やってもいいかなと思う。白緑は白黒よりもやや遅いので、バラまきから全体強化や増殖で押し込んで勝つ。特に1/1のダニをタフネス2でブロックを想定している相手に、《殺戮の歌い手》だして2/2にしてアタックすると想定を崩せる。

青について

次に青系3つをあげているが、青をやる場合は白緑以上にすいていることが重要。具体的には各色のマルチカラーや

このあたりのトップアンコモン、トップコモンが流れてくる状況でやりたい。青がなぜ弱いかというと、相手の攻めを受ける能力に乏しいからだが、上記3枚は受けにも強いだけでなく攻めに転じるときも強いカード。

5マナも《水銀の魚捕り》より《脳網の徘徊者》を優先した方が良い。最初みたときはコモンでパワー4の飛行でメリット能力には驚いたが、このセットではあまり強くない。今までの地上を止めて空から殴る青とは違い、今回の青はまず地上が止まらないので、守るカードである5/5の方が強い。従来の機体と違い、更地に出しても1度限りのブロッカーになり、赤の5/4/5油速攻も受け止め、増殖すれば何度でも自動操縦できる。

白青アーティファクト

かき集めたいのは、この2枚。アーティファクトが供給できる前提では、2/3/2絆魂と3/4/4占術2である。ダメージレース最強のようにも思うが
①毒の前にはライフは無意味
②4/4は基本的にブロックに参加できないので後攻時に非常に弱い
という弱点があり運要素が大きすぎるためTier2に甘んじている。

青黒コントロール

まず青黒のテーマは毒増殖ではなく、増殖コントロールである。MTGアリーナのプレミアドラフトの左上にもそう書いてある。

この辺の優秀な2マナ域が複数取れた場合は白黒に匹敵する速度になることもあるが、普通に毒を入れてから呪文による増殖に専念して10個ためて勝とうとすると、アグロの方が早いので勝てない。毒はあくまで堕落による中盤の補助、そして終盤の勝ち筋とみるべきである。基本的には受け寄りの4マナ以下のカードで膠着させて

《生体解剖医の見識》による3ドローによるアドバンテージ差で勝つのが基本戦略となる。《生体解剖医の見識》は2枚くらい欲しいのだが、急いでとらなくても終盤で勝手に流れてくる、というかこれが早めに消えるような卓で青をやってはいけない。

青赤コントロール

概ね青黒と同様。《血清核のキマイラ》がサイズ能力共に強いので、これが4-5手目とかに流れてきたらやってもいいかな程度。

黒緑

毒性も増殖も除去も一定の水準があるはずなのだが、何故か勝てない。白と違って軽い要素や数をバラまく要素が薄いので、盤面膠着しやすく押し切れないことが多い印象。マルチカラーは強力なのだが、本当に何故か勝てない。

赤黒、青緑

正直不明。

TIPS

こちらで記載。