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やっと終わった

 明日、地方の詩集賞の選考会があり、今ようやく寸評をまとめ終えた。いつもより応募数が多く(2桁)、ここから1冊を選ぶのは大変だ。1冊につき3回ずつ読み、先月まとめておいたものを昨日今日で点検。もちろんもう一度、読み直すので、1冊の詩集につき最低5回は読んだ。
 詩集を選ぶという作業は、楽しいけれども、疲労困憊する。なぜなら、その詩を書いた方の思い出や心情を評価する作業に近いからである。
 今回の応募詩集とは関係ないが、先日拝受した詩集で、「おじいさんは山へ芝刈りに」というフレーズがあり、違和感を覚えた。ご本人に確認したところ「柴刈り」の変換ミスだった。(こういう時は訊くべき。ミスがあった場合、今から送ろうとしている詩集に関しては訂正できるから)原稿を手書きにしていた時代なら起こらない事だが、パソコン入力になった今は、便利だけれども、こんな落とし穴がある。実は拙詩集『水栽培の猫』に収録した詩に「男は山に芝刈りに行ったきり帰らない」というフレーズがある。これは敢えて「芝刈り」にした。もっともらしい嘘をついて出て行く男に「山に芝刈り?ゴルフでも行くんかい?それとも?」という皮肉を込めた。
 スポーツ競技でも、足を捻挫していたら不利だ。詩集も最後の最後まで、一言一句見つめて見直して、無傷の一冊に仕上げたいものである。

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