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自作の背景

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私の詩の心理的背景について書きました
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記事一覧

あとがき

 詩集を、先ずは、あとがきから読む人もいる。あとがきを読み終えたとき、この詩集は読む価値…

橘しのぶ
2週間前
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ひとりでさびし

ひとりでさびし ふたりでまいりましょう  みわたすかぎり  よめなにたんぽ いもとのすきな…

橘しのぶ
2週間前
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一人歩き

 先日、詩人のNさんからお電話をいただいた。 「詩集、出版おめでとうございます。これから、…

橘しのぶ
12日前
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潮騒

 昨年、高校の同級生のKさんから連絡があり、夕食を共にした。彼女にに会うのは40年ぶり。彼…

橘しのぶ
7日前
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おしゃべりな猫

 次郎は、私が初めて飼った猫だった。最初のうちは、可愛いのと、もの珍しいのとで、毎晩一緒…

橘しのぶ
1か月前
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猫にバンダナ

 3匹の愛猫達は、私の手作りのお揃いのバンダナを巻いていた。バンダナには、それぞれ、名札…

橘しのぶ
1か月前
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蛇ありきて肝をはむ

 わが腹のうちなる蛇(くちなは)ありきて肝をはむ  『蜻蛉日記』の一節である。私は、これを、新詩集『水栽培の猫』に収めた『のゝ字』という詩の冒頭に置いた。  『蜻蛉日記』の作者、道綱の母は、自分の腹の中を蛇がのたうち回って内臓を食べてしまう夢を見る。道綱の母は、NHKの大河ドラマ『光の君へ』にも登場している。藤原兼家の妾で、息子の道綱は、道綱の異腹の兄にあたる。ドラマでは、温厚な中年女性の設定に見えるが、実際の彼女はそうではない。本朝三大美人と目される絶世の美女で、『蜻蛉日

春の夜の夢

 夢日記を付ける人が詩人には多いらしい。私も挑戦するのだが、なかなかうまくいかない。もう…

橘しのぶ
2か月前
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新しい詩集

 ポストに、新しい詩集の最終ゲラを投函し、何とも言えない喪失感に苛まれている。私の詩集は…

橘しのぶ
2か月前
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逃げる

 2008年、夏の午後、自宅の駐車場に、ふらりと現れた黒猫。一目惚れした私は、目線の高さを合…

橘しのぶ
2か月前
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メロスのように

 詩友のT君が、第二詩集『しなやかな暗殺者』収録の『7歳』という詩を気に入ってくれた。一人…

橘しのぶ
2か月前
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おとうと 

 小学校にもあがらないころだった。母は私を膝に乗せて「あんたには、おとうとがおったんよ」…

橘しのぶ
2か月前
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