三上杞憂

よろしくお願いします。

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祈ることすら罪ならば あらすじ+第1話

あらすじ普通である事を求められる国で育った一瀬実紀は誰かの特別になりたいと願っていた。 ある日、実紀は国家運営委員会が発令した外出禁止命令を無視したことで化け物に襲われる。 実紀を助けてくれたのは不老不死の咎を持つ千歳結だった。 「僕があなたを殺せたら。僕はあなたの特別になれますか?」 実紀は結の特別になりたいと願い無効化の咎を手に入れる。 強い願いから生まれる特別なな力【咎】。 普通を求めるはずの国は、特別な力に目覚めた【咎人】達が普通の人間を監理する国だった。 「

    • 祈ることすら罪ならば 第2話

      先程まで優しく微笑んでいたその人は今は怪訝そうな顔で首を傾げている。 「君の咎なら不老不死の私を殺せるって?」 「はい。僕の咎は無効化の咎です。」 実紀が意識を集中させると手の中に弾丸が一つ現れる。 その人は実紀から弾丸を受け取ると振り返って拘束されている自失を見た。自失は拘束されたまま糸の中で暴れている。 「無効化されないけど。」 「そ、そんなはず…!」 「それに普通こういうのって銃も一緒に出てくるものじゃないの?弾丸だけ出されても撃てなきゃ意味が…。」 ブチブチと音がした

      • 祈ることすら罪ならば 第3話

        「今日からここが君の部屋ね。」 局長室から出た後、案内されたのは2LDKの広い部屋。 風呂トイレ別。最低限の家具も置いてある。 「一人暮らしには広すぎませんか?」 「そうかな?普通じゃない?もっと広い部屋もあるよ。」 ぐるりと部屋の中を見渡す。 普通じゃなくなった自分がこんな広い部屋に住むのはなんだか申し訳ない気がした。 「奴隷がこんな豊かな暮らししていいんですか?」 冗談っぽく笑えば、結が何言ってんだこいつとでも言いたげな顔でこちらを見ていた。 「国のために人生捧げるんだ。

        • 祈ることすら罪ならば あらすじ

          普通である事を求められる国で育った一瀬実紀は誰かの特別になりたいと願っていた。 ある日、実紀は国家運営委員会が発令した外出禁止命令を無視したことで化け物に襲われる。 実紀を助けてくれたのは不老不死の咎を持つ千歳結だった。 「僕があなたを殺せたら。僕はあなたの特別になれますか?」 実紀は結の特別になりたいと願い無効化の咎を手に入れる。 強い願いから生まれる特別なな力【咎】。 咎に目覚めた人間は【咎人】と呼ばれた。 普通を求めるはずの国に隠されたたくさんの特別。 「私のた

        祈ることすら罪ならば あらすじ+第1話

          祈ることすら罪ならば 第一話

          20××年 とある研究所 ガラスの向こうで子どもが泣いている。 私よりも幼く非力な子どもが二人、血を流しながら泣いている。 死にたくないと怯えている。死なないでくれと叫んでいる。 駆け寄って慰めてあげたくても、この研究所はそれを許さない。 私は大切な家族が死んでいくのを黙って見ていることしか出来ない。 家族の死から目を逸らす。直視するのが辛いから。 この研究所の実験体である銀髪赤眼の子どもは隣に立っている仮面をつけた男に尋ねた。 「なぜ人間は争う?なぜ人間は同じ過ちを繰り

          祈ることすら罪ならば 第一話

          祈ることすら罪ならば 第二話

          先程まで優しく微笑んでいたその人は今は怪訝そうな顔で首を傾げている。 「君の咎なら不老不死の私を殺せるってこと?」 「はい。僕の咎は無効化の咎です。」 実紀が意識を集中させると手の中に弾丸が一つ現れる。 その人は実紀から弾丸を受け取ると振り返って拘束されている自失を見た。自失は拘束されたまま糸の中で暴れている。 「無効化されないけど。」 「そ、そんなはず…!」 「それに普通こういうのって銃も一緒に出てくるものじゃないの?弾丸だけ出されても撃てなきゃ意味が…。」 ブチブチと音が

          祈ることすら罪ならば 第二話

          祈ることすら罪ならば 第三話

          「今日からここが君の家ね。」 局長室から出た後、案内されたのは2LDKの広い部屋。 風呂トイレ別。最低限の家具も置いてある。 「一人暮らしには広すぎませんか?」 「そうかな?普通じゃない?もっと広い部屋もあるよ。」 ぐるりと部屋の中を見渡す。 普通じゃなくなった自分がこんな広い部屋に住むのはなんだか申し訳ない気がした。 「奴隷がこんな豊かな暮らししていいんですか?」 冗談っぽく笑えば、結が何言ってんだこいつとでも言いたげな顔でこちらを見ていた。 「国のために人生捧げるんだ。そ

          祈ることすら罪ならば 第三話