祈ることすら罪ならば 第2話
先程まで優しく微笑んでいたその人は今は怪訝そうな顔で首を傾げている。
「君の咎なら不老不死の私を殺せるって?」
「はい。僕の咎は無効化の咎です。」
実紀が意識を集中させると手の中に弾丸が一つ現れる。
その人は実紀から弾丸を受け取ると振り返って拘束されている自失を見た。自失は拘束されたまま糸の中で暴れている。
「無効化されないけど。」
「そ、そんなはず…!」
「それに普通こういうのって銃も一緒に出てくるものじゃないの?弾丸だけ出されても撃てなきゃ意味が…。」
ブチブチと音がした