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文章の副業ってどうやるの?~なろう作家が、フリーライターをやり始めた話①~

ここしばらく、新作小説を書くかたわらにわりとそういう活動をしていたので備忘録的に記します。文章書くの好きな人とか、もしかしたら読んで役に立つこともあるかもしれません。

なんか最近、副業が流行ってんな……

2020年9月。ふとそんなことを感じました。Yahoo!ニュースとかで一日一回くらいは副業についての記事を見かけるほどです。

多分、コロナの影響などで会社員の収入が落ちたりした関係なのでしょう。

会社員はダウンした収入を補填するために副業に興味を持ちはじめ、会社側は賃金カットの言い訳として『副業してもいいよー』みたいなことを言い始めたわけです。

私は最初『副業?これ以上働いてられっかよボケ。しなくてもいいくらい給料よこせや』くらいに思ったのですが、それと同時に面白そうだな、とも感じました。

なんか副業で大金を稼いで悠々自適に暮らしてる人もいるみたいだし。そこまでは行かなくてもちょっとの労力でお金を稼げたら無駄遣いができるぜ、とも思いました。

ちょうどその時、本業が暇でしたし、小説家業のほうも編集者さんからのレスポンス待ちの期間でした。

ほんじゃ副業でもしてみるか、となったわけです。

しかし私は普通の勤め人なので、副業と言っても何をするのかよくわかりませんでした。

『喜友名トト』のペンネームでやっている作家としての活動自体が副業と言えばそうなのですが、あれはネットに投稿していた小説が評価され、それが書籍化したものなので、最初から稼ごうと思って行ったことではないわけです。なので、副業素人のサラリーマンです。

なにをすればいいの? と思いました。

とりあえず、やりたくないことはやりたくないな……

私は非常に面倒くさがり屋です。面白そうと思った副業ではありますが、すぐにイヤになるだろうな、との予感もありました。働くのは嫌いです。

じゃあもう副業もダメなのでは?という気もしましたがちょっと考えてみました。それでわかったのですが、私は働くのがイヤというより、つまらないことをしたくないのです。

今やっている本業がつまらないから仕事がイヤだと感じているのだとわかりました。

じゃあ副業はなにすんべ?という話ですが、それは速攻で答えがでます。

なんかこう、文章書く系がいいな。

私はなろう作家なので、一カ月間、毎日五千文字以上更新!みたいなことをしたこともありますし、一応は書籍化したこともあります。多分、少しは文章を書くスキルはあるはずだし、そもそも文章を書くのが好きだったわけです。また、文章書く副業をこなして小説を書く力もアップするかも? とも思いました。

それに、文章を書く仕事というのは後々他の何かに繋がりそうな気配があります。

あと、フリーライターって響きなんかカッコよくね?とも思いました。私はバカなのです。

なので一択でした。

文章書く副業ってどこでみつけん
の?

これが全然わかりませんでした。

なんとなくシナリオライターとか記事のライターというのは、なにかの分野で実績のある東京の人が、知り合いから紹介されて行っている仕事だと思っていました。

要するに、私ではありません。最初からとん挫しそうでした。が、よく考えてみれば今は2020年で、インターネッツがさかんです。リモートワークとかも増えてます。実はどっかの会社が募集してたりしてないかしら?と検索してみました。

秒で出てきました。どうやら、昨今のライターというのはこのようにネット上で募集するのが普通のようです。

また、もう一つわかったのが、クラウドソーシングというものが今の世の中にはあるのだな、ということです。

何それ? と思った人もいるでしょう。え、いませんか。私は知らなかったのですが……。

クラウドソーシングというのは、要するに仕事を発注する人と仕事を受注する人をネット上で媒介する仕組みです。アプリなどもあり、数分で登録できます。



早速登録してみました。で、ライター仕事を検索します。どうやら、何かを書く仕事のことをライティングというそうです。ふーん。

色々な仕事が出てきました。こんなヤツです。

YouTubeで掲載するショートストーリー(ザマぁ、スカっと系)のシナリオ、観光地の紹介記事、恋愛のテクニック紹介記事、お酒やグルメの紹介記事、映画の内容紹介記事、アニメや音楽の感想記事、心理テストや占いの記事……

ああ、そういうのネットで見かけたことあるな。というモノたちです。なるほど、ああいうのはこのようにして作られた記事だったのだな。とわかったわけです。

相場もわかりました。ライティングの仕事は文字単位で契約が行われることが多いようです。一文字〇〇円。みたいな感じの。

そしてこれもピンキリ。一文字0.2円というものもあり、4円のものもあり。それは時給換算するとヤバいくらい差がでるだろ。というものでした。

私はなろう経験から、自分が何時間で何文字くらい書けるか知っています。大体1時間で2,500文字くらいです。だから、もし文字単価0.2円の仕事など受けたら、時給は500円です。やってられるかハゲ。

しかし、時給4円の仕事も問題があります。求人条件を見ると『プロ経験豊かなライター』『ソムリエ資格を持っている人』など、わりと厳しいのです。しかも、応募者数がめっちゃ多い。

なるほどこれは専業のプロ向け案件なのだな、とわかりました。プロ並みの能力を持たないたくさんの応募者は跳ねられるのだろう、と推測できます。

そこで私がまず狙ったのが、文字単価1円程度の仕事でした。これなら時給2,500円です。一日一時間書くとして、毎日やれば月30時間75,000円。まあまあです。もし、本業並に一日8時間×20日なら40万円とか超えます。

なろうやカクヨムと言った小説投稿サイトで何万文字投稿しようと、人気が出て書籍化とかしなければ一円にもなりません。それを考えれば悪くはないです。

また、上述したようななんかの記事……たとえば『ジョジョの奇妙な冒険はここが面白い!』とか『こんなダメ夫をこう言い負かしてやった!』とか『国産ウイスキーおススメの三本!』みたいな、『いかがだったでしょうか?』で終わることがやたら多いヤツですが……

過去に読んでみて、『こんなしょうもない記事なら俺の方がよっぽど面白く書けるわ!これ書いたやつ絶対ジョジョ全巻読んでねぇよ!なんでポルナレフのことをジャンって表記してんだよ!!』と思ったこともあります。

ならば楽勝なはずです。さっそくいくつかの案件に応募してみました。このとき、自分のプロフィールやライターとしてのPRが必要になりますが、なにしろ始めてやることなので、なにもPRすることがありません。

全滅しました。まあ、そりゃそうよね。という感じです。副業やってみっか、と思い立ってからここまで1時間程度、早くも挫折の気配です。

『ライターとしての実績がない人にはちょっと……』と言われます。

だから俺は実績を作るために応募してんだろうが……?実績がある人しか実績を積めないってのは構造的な欠陥じゃねぇのか……?

と、思いますが、思うだけです。

おいおいちょっと待てよ。じゃあ何かえ? 既得権益者たちのものかえ? 資本主義ってやーねー……。

なんかもうどうでもよくなってきたので、ウイスキーを飲み始めました。

で、ふと思いつきました。別に、実績って正規のライター仕事でなくてもいいのでは?

そこで私が取ったのは『別に誰にも依頼されてもいない記事を勝手に書いちゃうぜ作戦』でした。私は子どもの頃からなんにでもナントカ作戦と名付けます。

今回の作戦はこうです。

①ライターを募集しているWEBサイトや企業を見つける

②そのサイトの記事を読む

③そのサイトの記事っぽい記事を勝手に書いて誰にも読まれないだろうけどとりあえずネットにアップする

④応募するときに『実績はないですけど、こんなの書いてみました』と勝手に書いた記事のURLを貼る。

以上です。これはこのアカウントではないNOTEを使って行いました。

そのとき応募したのは恋愛におけるテクニックを多数紹介するWEBサイトを運営している企業です。なにしろ求人が一番上に出ていたので。

私は別に恋愛上手でもないし、モテモテなイケメンってわけでもないので『見せる用』の記事は想像で書きました。でもそのサイトの記事水準と比較してもわりと論理的に書けており、嘘100%の経験談も面白く読めるものになっていたと思います。

さて、今度はどうだったでしょうか。

翌日その企業からクラウドソーシングアプリを通じてメッセージが着ていました。

曰く『良い記事です。採用したく思いますが、まずは大人向け・アダルト系の記事をメインに書いていただきたいのですが、それは大丈夫でしょうか?』

返す『アダルト系というのは、つまりはエロい内容ということでしょうか?」

曰く『そうです』

ふむ……。おそらく、アダルト系の記事はライターに避けられがちなんだろうな、と想像ができました。だから未経験ながらちょっと書けそう程度の人間にOKが出たのでしょう。

………

…………

できらぁっ!!

大変結構だと思いました。むしろそっちのほうがいいです。

なにしろ俺は学生時代にエロゲーをやり込み、フランス書院を愛好している男だからな!

と、いうわけで契約にいたりました。こうして私はフリーライターとしての一歩目を、エロ記事ライターというルートから歩き始めたのです。

なお、真面目な恋愛小説も同時に進めていました。頭がおかしくなりそうで、案外なりませんでした。

ひとまずここまで。次回は実際のライター業務の進め方と最初のほうの収入について記したいと思います。

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