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文章の副業ってどうやるの?~なろう作家が、フリーライターをやり始めた話②~

フリーライターへの道をエロ記事ルートから歩き始めた私。

早速張り切ってバリバリ書くぞ!と思ったのですが、その前に色々とやらなくちゃいけないことが出てきました。

なにやらライター仕事は進め方の作法があるらしい

記事を執筆するライティングのお仕事ですが、私は実際に始めるまで『指定されたテーマについてWordとかメモ帳とかに書いて、それをメールに添付して送ればいいのだろう』と思っていました。

実際、そういう風にして進められる仕事もあるのでしょうが、私が最初に契約したサイトはそうではなかったです。

まず、チャットワークに登録せえと言われました。

それが何かも分からなかったのですが、要はLINEみたいなメッセージアプリ的なものでした。それで仕事上のやりとりをするわけです。

まあこれは簡単なので言われたとおりにやりました。

で、チャットワークから仕事の指示が来ました。

①共有ドライブを見られるようにしたぞ

②共有ドライブのなかにウチの記事の書き方マニュアル載せたから読めよ

③ドライブの中にキーワードリストがあるからそこからキーワード選んでそれについて書けよ

ひとまずこんな感じです。なるほどなー、と思いました。たくさんのライターを契約しているのでしょうから、管理方法として効率的です。

ひとまず記事の書き方マニュアルを読もうとしました。が、途中で面倒くさくなりました。ざっと理解すりゃええやろ、と思ったわけです。

で、そのとき理解したのはこういうこと

①ネット上の記事なので、アクセスを稼がなければならない

②キーワードリストに入っているキーワードは検索されることが多い言葉。それで検索したときに検索結果の上のほうに出てくるような記事を書いてね

③コピペは駄目だよ。自分の言葉で書いてね。体験談とか入るとなおいいよ

ふむふむ。

この②を達成するためには記事タイトルの他にも文中や目次にもキーワード入れていくのがいいそうです。

こういう検索ヒット率を上げるための書き方をSEO(検索エンジン最適化)というのだそうで、これはWEBライティングにおける必須技能とのことでした。あーはーん?

ほんじゃ書くこと決めてみるか

私はキーワードリストを見てみました。大人の男女交際を謳ったエロ記事のサイトなので、キーワードの大半がアレな言葉です。

女子大生 初めての〇〇〇

レンタル彼女 〇〇〇

ポーランド人 〇〇〇の傾向

みたいな感じです。私は紳士なので〇〇〇については言及しませんが、実に即物的で本能に根差した単語でした。

皆こんな言葉を検索してるの……? やーねー、男の人ってエッチなんだから……

と思いました。でもポーランド人にはちょっと興味がなくはないです。

ともあれ、契約もしたことだし何か書いてみよう。

私は書けそうなキーワードを探しました。が、良さそうなのはすでに他のライターさんが予約欄に名前を入れています。空いているのはなんか面倒くさそうなキーワードばかり。

なるほど、早い者勝ちなのだな、と悟りました。

何百にも及ぶ卑猥な単語の羅列を眺めること数十分。

私は気づきました。これは不毛です。

だってこれは副業なのです。あんまり時間がかかって生活の質が落ちるのは本末転倒です。もういいやなんでも、この一番上のヤツでいこう。

私が選んだのは、ダーツバーでのナンパの仕方、みたいな記事でした。(サイトに迷惑がかかってはいけないので若干のフェイクがあります)

ほな書きましょうか

そのサイトは、ライター用の専用サイトがありました。そこに直接書いていき、納品までするわけです。文字装飾なども出来て、簡単にソレっぽくできます。

私は少しの経験と、たくましい妄想力を用いてダーツバーで知り合った女の子とのアレコレを書くことにしました。

最初に見出しと目次だけの構成を作成して、契約先のディレクターなる人物にチェックを受けます。あっさりOKが出たので執筆。

けっこー上手く書けていたと思います。

しかしここで誤算が生じました。

え、記事に挿入する画像も俺が用意すんの?

うわめんどくせ。と思いました。書くだけでいいと思ったから応募したのに、そこまでしないとダメなのかよ約束がちげーよ。

っていうか、あのネット記事の画像ってライターが用意してるものだったのか!? グルメ記事のラーメン画像とかファッション記事のジャケットの画像とかも? あれは他にカメラマンとか専門の人がいるわけじゃなかったのか!?

私は、もうこの一記事だけ書いたら終わろうと思いました。

仕方がないので、フリー画像サイトを探します。めっちゃたくさん出てきました。

そして気が付いたのです、俺が今までよく見てきたネット記事の画像、全部フリー画像やんけ……

あのツインテールの女子高生も、怒っている白人女性も、オシャレなデスクに置いてあるPCも……

世界はそうやって出来ていたのか……。

よろしいならば俺もそれに習おう。フリー画像サイトで『セクシー』とかで検索すると出るわ出るわ。ちょっと面白くなったので色々みてしまいました。

で、いくつか選んでそれをサムネに設定、記事の中にも画像を挿入。終わり。ここまでやっと納品です。

なお、↓がエロ記事のなかに挿入するための画像としてダウンロードしたものたちです。すごく直球かつ適当にファイル名をつけているので、並びが大変ゲスくてヤバいです。

出来上がった記事を見た時の感想は「うわ、それっぽい!」でした。画像が挿入され、文字装飾が施された横書きの記事。見たことのあるアレです。

ちょっとテンションがあがりました。これってこんな簡単に作れるものだったなんだな、という思いです。

3,000文字の記事を書くのに3時間くらいかかってしまいました。時給千円……微妙だな。とは思いましたが、これは多分慣れていなかったからです。

システム理解やフリー画像サイト探しなどに手間取らなければもっと早くできるでしょう。

実際書いてみると面白かったこともあり、私は翌日に2記事目を書いてみました。今度は2時間もかかりませんでした。

また、2記事目を書いているときに1記事目の感想がディレクターから入り、褒められました。エロい記事が書けていたようです。ヒャッハー!

これならイケる

私はそのサイトのキーワードリストを次々と予約しました。

あれなら、普通に本業をして、家に帰って酒飲んだり映画観たり小説書いたりのいつも通りの生活をしていても1週間に5記事くらいは書けるでしょう。1か月で20記事です。

1文字1円で、一記事3,000文字だから、20記事で60,000円。実働時間を考えれば悪くないです。

というか、もし本業の仕事をしている時間にこれの記事を書いたら月100記事くらいは書けそうです。

そしたら月収30万なので、下手したらこれだけで生活できるんじゃね?とも思いました。まあ実際にはそれほどたくさん記事を書かせてくれるとは限らないわけですけども

いずれにせよ、執筆は本業の仕事よりよほど面白く、しかもやればやるほど金になるのが実感としてわかります。

今書いた分でいくら、今日はいくら稼いだ、というのが明確にわかるのっていいですよね。

どんなに忙しくても、暇でサボっていても給料が変わらない仕事には安心感がありますが、仕事してる実感が強いのはやっぱり歩合制ということなのでしょうか。

テンションの上がった私はしばらくはひたすらアダルト記事の執筆に励みました。

多分、ちょっと上手くなったと思います。これはフランス書院デビューの布石になるかもしれません。

で、最初の月の報酬が支払われました。数万円はありまして、これもクラウドソーシングのアプリ上で行われます。ほうほう……。焼肉でも食いに行くか。

私はさっそく無駄遣いをしつつ、こうも考えていました。

アダルト記事飽きた

そして、今の私には曲がりなりにもライター経験ができたわけです。最初実績ないヤツはダメ!と言われておりましたが、今なら他のところも契約してくれるかもしれません。

それに、私には他に好きなこともあります。酒とか音楽とかバイクとか、アニメとか漫画とか歴史とか、それらのものについてはそれなりの知識がありますし、書けることも多いはずです。

よし、契約先増やしてみるべ

クラウドソーシングのアプリを起動して検索。たくさんのライティング業務の募集が出ておりました。

さらに、意外なメッセージがきてることに気付きます。

『スカウトが来ています』

私のライター実績をみた、とある会社からお誘いがきていたのです。

それはエロ記事ではなく、YouTubeの動画シナリオの作成依頼でした。

こうして私はアダルト専門マンから次の道へと進むこととなったわけです。多分続きます。


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